猫見遊山日記

 本日最終日でした。平日にも関わらず、今日もたくさんの方においでいただきありがとうございました。5日間で、述べ170名ほどの方においでいただいたと思います。

 今回の絵はちょっといつもと違う雰囲気だったので、どんな感想を持たれるのか少し不安でもあったんですが、好意的な声が聞かれてホッとしています。画材や技法はそう大きく変わらないと思うんですが、やっぱりフランスという題材による影響が大きいんでしょうか。でも、今日来てくださった知人の映像ディレクターの方は、本質は変わってないと思うと言っていました。僕自身としては、例えばいつもは机に紙を置いてその上にかぶさるような絵の書き方をしていたのですが、今回はイーゼルに紙を立てて、長めの筆で画面と少し距離を置いて描きました。それはとても新鮮で、気持ちが良かった。そんな制作環境の違いも多少は画面に反映しているのかもしれないと思っています。

 終了の17時間近になると、いつもの友人たちが撤収を手伝う目的で集まってきてくれました。総勢10名ほどかな。これだけいると撤収も早い。義弟のテッチャンが車を出してくれて、荷を積み込むとそのまま運んで行ってくれました。これまた大いに助かりました。撤収時間は1時間弱くらい。それから、ギャラリーのスペースに机を広げ、手伝い人たちで打ち上げ会です。集まったのはマルヤマさん、カミヤさん、クシマさん、タケダさん、ヒトミちゃん、オオツさん、オバラくん、そしてオーナーのタイラさん。何しろ、みんなユニークな人生経験を持った方ばかり。だいたい知り合いなのですが、あえて自己紹介を始めたら本当に面白い話が飛び交い、興味が尽きません。宴会を始めたのは6時ぐらいだったのですが、ふと気づいたら11時近く。ワイン3本、ビール15本くらいあけてました。最後まで楽しい時間を過ごせ、幸せでした。ありがとうございました。

今年は6月、11月にそれぞれ別の会場で個展を予定しています。またご案内しますので、気が向いたらお寄りくださいね〜。ではではみなさま、またお会いする機会を楽しみにしています。

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おはようございます。本日4月4日(火)は「そこをまがると…」展最終日です。開廊はいつも通り12時半ですが、今日は夕方5時で終了。お気をつけくださいね。僕は終日在廊予定です。天気は良さそうなのでお散歩ついでにおでかけください。

 昨日は平日でしたが大勢の方に来ていただきました。ありがとうございます。今回のメインの絵は昨年のフランス旅行の心象風景なんですが、僕が現地で撮った写真も6枚ほど展示しています。なぜかこの写真が褒められる回数が多い。中には「カメラマンと一緒に行ったの?」なんていう人も。僕の腕がいいわけではなく、今時はカメラの性能がいいし、何と言っても被写体自体の素晴らしさによるものなんでしょうね。フランス旅行中、日本では見たことのない光の具合に異国情緒を感じたことがなんどもありました。

 もう一つの展示テーマが「パリの画家たち」です。現地の美術館で生の「名画」を見たとき、そのサイズがとても印象的でした。大きなキャンバスに向かう画家たちの姿に興味が向き、画家たちの顔を描きたくなったんです。調べてみて気づいたんですが、画家の顔って案外知りませんよね。小学校の音楽室に作曲家たちの肖像画はいっぱいあったけどね。閉廊時間近くに高校時代の友人たちが来てくれたのですが、その一人がこれらの肖像画を「オトナ買い」(まとめて買うこと)してくれました。お菓子やおもちゃはともかく、絵のオトナ買いって初めて見ました。彼の英断に、その場に7、8人いたお客さんがみんなで拍手。年末の酉の市で熊手を買うと拍手されますが、それを思い出しちゃった。チーコウ、ありがとう。持つべきものは度胸のある友人です。「パリの画家たち」シリーズは、普段僕がよく使うアクリル絵の具の種類の中でも透明絵の具を使っています。油絵っぽいテイストを加味しやすい絵の具だと思います。僕は油絵を描いたことがほとんどないんですが、今後油絵にも挑戦してみたいと思っています。お楽しみに。

 閑話休題。僕は自宅で仕事をするので、個展の期間だけ「通勤」します。家から電車に乗っている時間は45分くらいかな。電車の中では読書が楽しみです。今回は高橋克彦さんの「炎立つ」を読んでます。11世紀の東北を舞台に繰り広げられる、俘囚(当時の東北地方の民を中央はこう呼んでいたそうです)と朝廷との確執を描く物語。史実に基づくフィクションですが、浮き彫りされる両者の思惑のすれ違いや政治家のダメダメさが現代にも通じてなかなか興味深いです。僕は未見ですが、かつて大河ドラマにもなったそうです。今日も小説を読みつつ出勤して、会場でお待ちします。

 

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おはようございます。「そこをまがると…」展4日目です。今日は12時半から19時まで。僕は終日在廊予定です。世の中は今日から新しい年度の仕事や学校の始まりですね。お待ちしております。

 会場の様子が見られるように、相棒のマルヤマさんが写真をアップしてくれました。今回もいくつかグッズを作ったのですが、マグカップとトートバッグ、地平線漫画集の三種が売り切れてしまいました。追加で作りますので、ご所望の方は会場でご注文くださいね。残るのが怖くてついつい限定少数しか作らない結果、ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。

 昨日は日曜日で、ギャラリーメゾンドネコは閉廊時間が5時でした。案内ハガキにもそう書いてあるのですが、他の日が7時までなので間違える人もいます。もし昨日の閉廊後にいらした方がいたらすみません。実は昨日は僕自身が勘違いしていて、午後3時ごろになって閉廊が5時と気づきました。仲間たちと飲みに行くことにしていたのですが、6時半に会場集合なんてアナウンスしていたのです。慌てて電話してなんとかなったけど、自分でもびっくりしました。一年ぶりの個展でなんだか勝手を忘れてます。

 一年ぶりといえば、東京駅や京橋周辺は来るたびに様相が変わります。八重洲口にミッドタウン八重洲がどーんと聳えて風景が変わりましたね。道も広くなり、東京駅から京橋まで見通せるくらいな感じです。距離は変わらないけど、近くなった気がします。そして駅周辺は昨日もものすごい人出でした。僕が出勤(?)した昼頃はスーツケースを転がす外国人観光客で混雑状態。東京駅だけでなく、地下鉄の車両内が自分以外みんな外国人だったよ〜という友達の声もありました。円安日本は格好の渡航先なんですね。

 話は飛びますが、昨日は有明アリーナで歌手のミーシャのライブがあったそうです。会場に来てくれた友人夫妻がこれからそのライブを見ると話していたら、別の友達トモちゃんが「え、私も」と声を上げて、知らない同士だった二組がいきなり意気投合していました。音楽の共感力はすごいな。このミーシャのライブは後日NHKで放映されるようなので、ご興味のある方は是非。僕も見てみようと思います。

 

 

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おはようございます。「そこをまがると」展三日目です。あれあれ、天気予報と違って曇り空です。今日は日曜日なので、12時半から17時まで、僕は終日在廊予定です。

今回のメインの展示は二本柱。フランスの心象風景と、パリの画家たちの似顔絵ですが、そのほかに普段やっているイラストレーターとしての仕事の原画も数点飾っています。

その一つ、読売新聞で連載している「銀幕一刻」は絵と文で映画を紹介するコラム。かれこれ25年くらい続いています。登場人物の衣服やアクセサリー、その他ファッション的要素と物語を絡めて紹介するという趣向なのですが、毎回苦労します。映画が面白くても物語に絡めるアイテムが見つからなかったり、その逆も。その文、ちょっとナナメに映画を見られるのは面白い。

昨日は、このコラムのファンだという方がいらしてくれました。ちょっと都心から離れているところに住んでいらっしゃるので銀幕一刻で紹介するタイミングと、地元での上映期間がずれることがあるとのこと。それで、ブルーレイを買って繰り返しみてらっしゃるそうです。普段、どういう方が見てくださってるのか、こちらにはわからないのでこういう出会いは嬉しい限り。熱心な映画ファンの方にコラムが読まれていることを思うと、ちょっと身が引き締まる感じです。

今回展示した「銀幕一刻」の2作品。上が『ケイコ 目を澄ませて』(三宅唱監督)、下が『ノースマン 導かれし復讐者』(ロバート・エガース監督)

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二日目終了しました。先ほど12時近くに最寄駅に帰ってきたら、なんと地元は雨。東京駅周辺は全然降る気配もなかったのにね。でも日中は晴れて暖かい春の日でした。今日もたくさんの方に来て頂きありがとうございます。昨年の個展以来、一年ぶりの再会という人も多かったのですが、中でも北海道大学時代の友人が突然来てくれたのには驚きました。20歳くらいの頃に一緒に登山をした仲間ですが、学部も違ったのでそれ以来40数年ぶりの再会。僕がイラストレーターになっていることは共通の友人から聞いて知っていたそうですが、たまたまネットで名前を検索したら丁度個展開催中だったという偶然。僕は彼が北海道に住んでいるとばかり思っていたので、「誰だかわかる?」と聞かれて最初はポカンとしました。でもすぐに名前を思い出しました。不思議です。彼はバイオリン弾きとなり、ジャズのバンドなどをやっているとのこと。僕はSNSなどを全くやっていないので、バーチャルにつながるという経験がないのですが、こうして向こうから探してくれて、再会ができるのは嬉しいサプライズです。

 そして今日はもう一件、懐かし再会がありました。昨年、やはりネットで探してくれて偶然個展開催中に来てくれた小学校4年生の時の友人コバです。こちらは50年ぶりの再会でした。昨年はちょっとの時間しか会えなかったので、今日は久しぶりに昔話に花を咲かせようという趣向。閉廊後にやはり4年生以来の友人マイエ君と三人で一杯飲みました。コバは活発でお転婆な女の子で、よく一緒に鉄棒で遊んでた記憶が。僕は本当に記憶力が貧弱なのですが、二人と昔話をしているとどんどんいろんな記憶が蘇ってきました。人の記憶は消えるのではなく、どこか遠い奥にしまわれていて、鍵さえあれば出てくるものです。その上、マイエくんが卒業時の文集を持ってきたものだから、それをネタに笑う楽しい時間でした。文集って大事なんだなとこの歳になって実感です。僕も今度実家に戻って探してみよう。

 

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おはようございます。「そこをまがると」展二日目、今朝も天気が良いですね。本日も12時半から19時まで。僕は終日在廊予定です。お花見がてらもし気が向いたら、寄っていただければと思います。

 天気がいいと、シジュウカラのツピツピというさえずりも軽やかに聞こえます。うちの庭のソメイヨシノもだいぶ葉桜になってきました。お花見はこの週末がラストチャンスですね。庭の花は他にダイコンバナ、クリスマスローズ、タンポポなどが盛り。ふと見たらスイセンが一輪だけ庭の片隅に突然咲いてます。ほとんど手入れもしない雑庭ですが、勝手にいろんな命のめぐりがあるんだと思うとワクワクします。僕の描く絵は植物や動物、人物などが比較的多いのですが、今回の個展で展示しているメインの絵では建物がやや多め。建築物は直線が多くなるので難しいです。二週間ほど前に都美術館で「エゴンシーレ展」を見ました。シーレの描く建物はどれも直線が少なく、まるで生き物のよう。こういう表し方もあるんだなと思いました。確かに、パリやマルセイユの街は石作りの古い建物が圧倒的な存在感で迫ってきます。森を描くようにこの街を描けたら面白いなと思います。

 

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「そこをまがると」展、第一日目終了しました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。30名近くの方に来ていただき、好意的な感想をいただいてとりあえずほっとしてます。今回はメインの絵がフランス旅の風景画で、面白くなかったらどうしようと思っていたんだけど、いつもと違う感じが悪くない印象のようでした。嬉しいなー。副題に「フランス猫見遊山」と謳いましたが、実はフランス旅の間、思ったよりは猫に会いませんでした。でも心象風景というつもりで、どの絵にも猫を描いています。

また、サブの絵では、パリで活躍した画家たちの似顔絵を描きました。会場のボードにも説明したのですが、それまで教科書でしか見ていない印象派以降の画家たちの実物の絵を見て、そのサイズにびっくりしました。このキャンバスに向かった画家たちはどんな体格で、どんな顔をしていたんだろうと興味が湧き、画家たちの絵を描きたくなったのです。なるべく若い時の姿を描いてみました。例えばピカソは長生きしたので、どうしても晩年の姿のイメージが強いですが、まだ若くて髪の毛もフサフサしたピカソを描いています。会場でご覧になってくださいね。

 ギャラリーまでの出勤(?)は、いつも東京駅から行くのですが、今日も昼頃の東京駅はやたら人で混雑してました。株式会社●●の旗を掲げた人に率いられた新入社員の一団が列を作っていたりして、年度末で人の動きが一段と激しくなっている感じ。八重洲南口の高速バス乗り場を通り過ぎる時はこれもまたいつものように、「今このバスに飛び乗れば、北関東や関西、四国まで行けるのになー」と思います。あとで聞いたことだけど、今日で八重洲ブックセンターが店じまいだったとか。あ〜よっておけばよかった。寄って来たという知人の情報では、人出も凄かったようです。

今日は閉廊後、先輩二人と飲みに行きました。僕は大学卒業後、1年だけ会社に勤めたことがあります。赤坂にあった編集プロダクションなのですが、その頃の先輩です。お目にかかるのは久しぶりで、お一方とはそれこそ40年ぶりくらいの再会でした。積もる話もあるので早くどこかの店に入ろうと思ったのですが、なんと街はめちゃめちゃ混んでました。どの店も満員で断られてしまいます。年度末、金曜日というタイミングなんですね〜。さまようこと1時間近くしてようやく居酒屋に入れましたが、店内も混雑し、注文がなかなか通らない。まあそれでも懐かし話に花を咲かせました。 

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おはようございます。今日から「そこをまがると」展が始まります。12時半開始、19時まで。とりあえずいい天気でホッとしています。僕は終日在廊予定です。

うちにはテレビがなく、僕の情報源は新聞とラジオ。朝起きるとまずラジオのスイッチを入れます。大体TBSかな。耳慣れたアナウンサーの方々の声を聴きながらウトウトしつつだんだん起きます。天気予報と交通情報はまずラジオでキャッチ。新聞より先に主なニュースを聞くことも多いです。今朝もフィンランドがNATOに加盟することをトルコが承認して最終決定というニュースがありました。世界は日々動いてますね。昨夜は仲間達と食事をしてから東京駅まで歩いたのですが、八重洲地下のコンコースはめちゃめちゃ混んでました。駅構内には大きなスーツケースを引きずった外国の旅行者も目立ちます。コロナ感染者がまたちょっと増え気味というニュースもあるけど、世の中は以前の活気をだいぶ取り戻しつつあると思いました。

 昨日は僕の母親の誕生日でもありました。昭和10年生まれの88歳。米寿です。何かお祝いをしたいところだったけど、何しろ搬入日。お祝いはとりあえず妹の一家にお任せしました。みんなでフレンチの食事に行ったそうです。後で何か挽回しないと。そして今日は5年前に亡くなったカミさんの淳子との結婚記念日。毎年3月末は記念日が続いてました。世界もいろいろあるけど、人生もいろいろです。

 

 

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 こんにちは。長野亮之介です。「そこをまがると」展、明日から開催です。
 今日は搬入日でした。この2ヶ月くらい絵を描いてきましたが、具体的な展示の準備は昨日からスタート。昨日の午後クシマさんが我が家に来てくれて、今回描いた絵の額装と、恒例の「地平線カレンダー」の仕分け、封入。いつもながらの手作業です。クシマさんとはかれこれ40年来のつきあいなので、色々と昔話や文明論談義をしつつの作業はなかなか楽しかった。今回は絵の数がそれほど多くないので、すぐに終わるかと思いきや、意外と手間が。夜10時過ぎまで作業し、クシマさんが帰宅した後、今回展示する一枚の絵にデジタルで色をつける作業に着手。結局深夜1時ごろまでかかってしまいました。地平線通信という月報に連載したモノクロの8コマ漫画に色をつけたんですが、アメコミみたいになって意外と面白い。ま、自分で言うのもなんですが。会場で見てください。
 今日は朝10時前にタケダさんが車で来てくれました。荷物を積み込み余裕で出発したのですが、意外と道が混んで、我が家から京橋のギャラリーまでたっぷり1時間かかってしまった。荷を下ろし、そのまま出社するタケダさんを見送って、ギャラリー近所の蕎麦屋で食事。戻るとマルヤマさんが会場に。マルヤマさんは個展を一緒に作り上げてきた先輩で、信頼する相棒です。毎回の個展のコンセプト作りから一緒に考え、案内ハガキ作り、グッズ作り、会場のレイアウト作りなどをしてきた共同制作者とも言えます。

 二人で展示の準備をするうちに、これまた長い付き合いのゼンさん、クシマさん、音楽仲間(酒飲み仲間)のリュウスケさんがきてくれて、それぞれに展示の手伝いを始めます。実を言うと、僕は一昨日くらいから左の腰が痛くて、今日は朝からサポーターを巻いてる状態。この1月くらいから痛い60肩をかばっていることも遠因かもしれない。ともあれ、今までの個展搬入で一番情けない状況でした。だから余計友達の手伝いが助かりました。ありがとう!
 今回メインの絵は昨年フランス旅行に行った際の心象風景(?)を描いた6点。その際に尋ねた美術館の作品に触発され、パリの画家たちの似顔絵をと猫を絡めた絵12点が主な展示です。普段僕は机に紙を置いて絵を描いてきたのですが、なぜか今回はイーゼルに紙を立てて描きました。いつもより絵から距離を置いて制作することが意外と新鮮で、多少絵の雰囲気も違うかも。どうかな?画家たちの絵は風景とは画材も多少変え、違うタッチで描いてみました。
 ここしばらくなかなか会えなかったので、積もる話をしながらの準備作業はいいコミュニケーションの場。口だけでなく手もちゃんと動かしてるから、3時過ぎには概ね形が整います。ティーブレイクを経て細部の詰め。リュウスケさんの息子ショーちゃんも来てくれて和やかムードに。5時過ぎにはユミちゃんと娘のミーちゃんも登場。タケダさんも戻ってきて最後の照明調整作業。6時過ぎには終了し、ご近所の中華料理店でとりあえず準備完了お疲れ会と相成りました。わー、記念写真を撮り忘れた!!
 さて、いよいよ明日から本番スタート。会場でお待ちしております。