亮月幽森日記

 おはようございます。亮月幽森展は昨日3月10日で終了しました。コロナで自粛ムード世相の中での開催でしたが、大勢の方にお越しいただきました。ありがとうございました。大掴みに5日間で約150名程の方においでいただいたと思います。

 僕は普段それほど雨男ではないつもりなのですが、何故かメゾンドネコでの会期中は雨の確率が多い気がする。メゾンドネコでの個展は今年で4回目。会期はいつも3月なので、この季節的なこともあるんでしょうか。今回も5日間のうち2日が雨模様でした。僕自身は雨の日も結構好きなのですが、お客さんが足を運ぶことを考えるとやっぱりね〜。

 今回展示した立体作品にネコリョーノシカと名付けた張り子人形があります。マトリョーシカというロシア人形がありますね。ピーナツみたいな形の人形の胴体が上下に割れ、中から小振りの人形が出て来る。それを割ると更に小さな人形が…というあの入れ子の民芸品です。ネコリョーノシカは招き猫型の張り子が5体入れ子になってます。マトリョーシカをもじってネコリョーシカと名付けたいところですが、誰しも考えることは同じ。検索すると《ネコリョーシカ》は既にいっぱい使われてます。では、ということで、僕の名前リョーノスケをもじって【ネコリョー《ノ》シカ】とつけたのは一緒に個展を作った相棒のマルヤマさん。コピーライターとして活躍もされていたセンスはさすがです。この張り子人形は既製品で、白無地の原型がネット上で買えます。そこに一点一点絵を描いたわけですが、これが意外に好評をいただき、展示品以外に3組も予約制作の注文を頂きました。ありがたい想定外です。これから作りますのでしばらくお待ちくださいね。

 昨日最終日は5時閉廊の予定でしたが、予告のお客さんがいらしたので5時半頃まで開いていました。この時間帯になると、撤収を手伝ってくれる友達がいつもなんとなく集まります。三味線ミュージシャンのケンタ、IT職能人で旅人のタカショー、謎の自由人オバラ君、長年の朋友クシマさんにタケダさん、相棒のマルヤマさん。僕は4年程前にスペイン語を習っていた時期があるんですが、その先生のキョウコさんも居合わせ、手伝いますよ〜という流れに。初日に知り合ったカメラマンのチカラさんも再訪していてお手伝い組参入と、賑やかです。

 最後のお客さんが帰られたら一斉に撤収作業開始となりましたが、これだけ人数がいると作業もあっという間。30分くらいであらかた梱包もおわり、車に積み込んで終了。ホントは手伝ってくれたみんなと打ち上げ!といきたいところなんですが、車で荷物を運ぶ都合上そこで解散となりました。記念写真を撮って終了。僕の実家から借りて来たヴィッツに今回もずっとお世話になったマルヤマ、タケダ、クシマさんと乗り込み帰宅。僕の自宅で荷物を下ろし、実家に車を返すところまでお三方につきあっていただきました。実家は西武新宿線沿線なのですが、最寄り駅の焼き鳥屋でささやかな打ち上げ。なかなかおいしい焼き鳥をだすお店でした〜。いやいや、今回も楽しい時間を過ごせました。これで僕の《通勤》ごっこも終了です。

 亮月幽森展のテーマとした絵は、メゾンドネコオーナーの平きょうこさんの創作童話「おつきさんとねこ」をもとに平さんからの依頼で描いたものですが、実はまだ全部の絵を描き終えていません。今回描いた9点の他にあと5、6点で完成かな〜と思っています。。今回の制作のモチベーションが続いているうちに残りの絵も描くつもり。絵本を想定してはいますけど、具体的な出版予定はいまのところありません。いずれにせよ続きで描いた絵は、また別の機会に展示ができればと思っています。

 このブログを読んでいただいた皆さま、おつきあいありがとうございました。次回の長野亮之介の個展は今年6月中旬に阿佐ヶ谷のカフェ「ひねもすのたり」で開催予定です。

亮月幽森日記

おはようございます。亮月幽森展、今日が最終日となりました。今日は閉廊が5時となります。僕は12時半から5時まで終日在廊予定です。雨で足下が悪いですが、お気をつけておいで下さい。

仕事柄家で作業をするため《通勤》がないのですが、個展の期間中だけは画廊に通勤します。といっても行きの時間帯はお昼近くなので、朝のラッシュには当たりません。それでもいつもの車内より空いているような気がします。コロナの影響で時差通勤が奨励されている会社も多いようですね。

今回も久しぶりの《通勤》で、なおかつこういう世相だから僕も車内ではマスクをつけてますが、この5日間の間でも車内のマスク姿が少し減ったような気がします。皆さんがマスクの効能を正しく認識するようになったのか、それとも単にマスクが市場にないからかな?

僕はマスクが好きじゃないので普段はほとんどしません。でもしてみると、確かにすこし暖かいし、何だか匿名性が高くなる感じがしますね。こんな状況でなくても普段からマスクをする人が日本人には比較的多いと聞いたことがありますが、すこし分かる気がする。さてそろそろ出勤しようかな。

亮月幽森日記

 こんばんは。亮月幽森展、4日目が終了しました。肌寒かった昨日から一転して、暖かい一日…だったようですね。ギャラリーにずっと籠っているので余り外気温がわからないのです。今日も20名程の方にご来場いただきました。ありがとうございます。

 会場に入ると正面に大きく印刷したイラストが2点飾ってあります。その一点は主人公の猫が食中毒で苦しんでいるシーンを描いています。ひっくり返っている猫の回りには何だか不思議な図形がいろいろと配されているのですが、これはなんでしょう?「山の幸がころがってるんでしょ?」「ワイングラスみたいのがいっぱいあるよね。このネコはお酒を飲み過ぎて苦しんでるのかな?」など、いろんな感想を聞きましたが、実はこれ、《粘菌(ねんきん)》と言う生き物をモデルに色や大きさを誇張して描いたもの。アメーバと菌類の中間的な生き方をする粘菌は、1ミリ以下の大きさで、実に多様性にとんだ形をしてます。たまたま家の本棚にあった『粘菌』という写真集を開いたところ、シュールレアリスムの絵画のような奇妙な造形に惹き付けられました。よーし、ネコが菌にいじめられてるというシーンの象徴として粘菌を配役しよう!と思いついた次第。

 写真集『粘菌』に収められた写真を撮ったのは友人のカメラマン、伊沢正名さんです。伊沢さんはキノコや粘菌など極小の世界を捉えた写真で一世を風靡した写真家です。今は《糞土師(ふんどし)》と自称して、人が生命循環のサイクルに入るための手段としてのノグソ(野糞)を哲学的背景を説きつつ伝導する使命に殉じています。

 友人とはいえ無断でイラストをモチーフにしていたので、会場に来てくれたらいいなーと思っていたところ、本日ご本人が来てくれました。もちろん伊沢さんは絵を見てすぐ、「あれ? なんでここに○○菌がいるの?」と喝破。さすがです。今回描いた絵は、月とネコというテーマ柄、どうしても夜のシーンが多くなるのです。でもそればかりだと全体が暗くなる。どこかに暖色系の色を入れたいとそれぞれの絵の色彩を考えているのですが、この粘菌の絵はうまく暖色系を入れ込めました。伊沢さんの素晴らしい仕事に感謝です。

 明日はいよいよ最終日。閉廊は5時になります。

亮月幽森日記

 おはようございます。今日は高気圧が張り出して晴れの予報。亮月幽森展4日目です。今日も僕は12時半から午後7時まで終日在廊予定です。

 毎朝起きるときに、僕は枕元のラジオをつけるのがクセです。だいたいNHK第一放送に設定してます。今日も半分寝ながら平日の帯番組《スッピン》を聞いていたら、何だかガサガサと異音がする。意を決して起きてみたら、布団のすぐ横で猫のクルミが鳥をたべてました〜。羽毛の模様からドバト(鳩の一種)のよう。その辺一帯に羽毛が飛び散るなか、ハグハグと食む音が異音の正体でした。うちのネコどもは狩猟本能がまだ健全で、食料自給率がそれなりにあります。鳥はもちろんネズミや昆虫、は虫類など結構捕獲しては食べてます。キャットフードは与えてますけどね。今朝の状況はまだそれほど凄惨な現場ではなかったけど、時にはネズミの頭が転がってたり、半分だけのヤモリが転がっていたりと、なかなかワイルドな朝を迎える時もあります。

 昨日の日曜日は終日雨模様でした。朝、ギャラリーオーナーの平さんと「今日は天気が悪いし、人出も少ないかもねー」と話していました。口開けの来場者は佐賀県から上京してくれたツルちゃん。二日後にミャンマーに出発するので、タイミングが良かったようです。コロナ騒ぎで日本人の渡航が制限されてますが、ミャンマーは大丈夫なのかな。「ま、大丈夫でしょう。なんとかなりますよー」と飄々と話すツルちゃんでした。

 会場に、一冊のハードカバーの本が展示してあります。「共同体なき社会の韻律」というタイトルから想像がつく通りの学術書です。僕が表紙の装丁を手がけました。正確に言えば、僕が挿画を提供し、相棒のマルヤマさんが装丁作業を手掛けた仕事です。「完全データ入稿」と言って、画稿データはそのまま印刷すれば本番、という状態で納品するのが常識と言う時代になりました(20年くらい前までは紙に書いた設計図とイラストを渡せば印刷所が続きの作業をしてくれました。そこまでなら僕もできるんですがパソコン作業が…)。

 昨日はその学術書の著者、川瀬由高さんが来場してくれました。挿画を描くに当たって内容は全部読んでいましたが、著者には初対面。論文の内容から漠然と抱いてたイメージと違い、童顔のニコニコした若き学者さんでした。

 会場で見ていただけると分かりますが、僕が描いた表紙絵は学術書らしからぬへにゃっとした絵です。描いている時も「こんな絵でいいのかな〜」と思ったりもしましたが、編集者のミトクさんが敢えて僕を起用した意味はそう言うことだろうと開き直って描いたもの。内容と装丁のギャップが好評だと聞いてましたが、著者ご本人からもそう聞いて安心しました。「共同体なき社会の韻律」というタイトル文字も手描きなのですが、「“手描き文字”という用語、初めて聞きましたよー」と川瀬さん。当たり前と思い込んでる言葉が案外“業界用語”なのだなと思いました。

昨日はいつもより2時間も短い開廊時間でしたが、それでも30名程の方にきていただき感謝の気持ちばかりです。閉廊近くに来てくれた友達数名と、東京駅にほど近い台湾料理屋で一杯やって帰宅しました。いつもぶっ飛んだ発想でいろいろと面白いことを企画するチアキちゃんから、遊びのアイデアを提案され、ほろ酔いの頭がグニャグニャと回転しました。

亮月幽森日記

会場風景とグッズ類を紹介するページを用いました。上に並ぶメニューから入れます。あるいは、以下のURLから直接飛んでください。

[会場風景]

[グッズ類]

亮月幽森日記

 亮月幽森展、3日目は雨の朝を迎えました〜。本日日曜日は、閉廊が5時です。いつもより少し早くなります。僕は12時半から5時まで終日在廊予定です。お足下に気をつけておいで下さいね。

 会場では、過去に制作した作品の一部をモニターで映像として流しています。ふとお客さんが途切れた時に画面を見ていると、「ん?こんな絵をどんな気持ちで描いたんだろう?」と不思議になったりします。普段自分の絵を見返すことはないので、客観的に見ちゃいますね。一旦作り手の手を離れたら、どう見るかは観客の自由だなーとつくづく思います。

 今回会場では作品を大きく拡大印刷した絵が二点あります。その一点《病気で苦しんでる猫》の絵は、色味が暖色系のせいもあるのか、「猫が酔っぱらっていい気分になってる」とか、「おいしいもの一杯食べてうれしがってる」と見る声をいくつか耳にしました。そう言われればそんな風にも見えるかな〜と思います。

 ちなみにこの二点の拡大印刷は、原画に比べてどちらも赤い色味が強くなってます。最近僕の個展ではよく描くだ印刷を展示に使うのですが、これは内装業を営む親戚筋のオヨちゃんにお願いしています。彼の会社が所有する、壁紙印刷用の大きなプリンターで延ばしたものです。今回はマルヤマさんと一緒に印刷現場に立ち会っていたんですが、プリンターのある部屋の照明がちょっと暗かった。それに気がつかず、プリントアウトしたときは二人で「おお、いいね〜」と言ってたんです。でも帰ってもう少し明るい光で見たらあれあれ?という感じでした。

 でもまあ、「赤いのもなんか迫力があるよね」と言う人もいました。《色味でこんなに印象が変わることを示す展示》と考えて、楽しんで頂ければ幸いです。

 

 

 

亮月幽森日記

 亮月幽森展、二日目終了しました。曇り空は夜になって雨にかわったけど、開廊時間中はギリギリ降らなかったかな。今日も40名近くの方においでいただきました。ありがとうございます。

 いつも個展のブログでは書くことが多いのだけど、僕の個展では示し合わせたわけではないのに、同じ系統の人が居合わせることがままあります。これがシンクロニシティというやつかなといつも思います。昨日は20年やっている和太鼓の仲間三人がたまたま同じ時間帯に来合わせたし、今日は子供連れの夫婦(互いに知り合いではない)が居合わせるとか。ヤマモト君夫婦の3人の幼児と、フタカミ君夫婦の2人の子どもたちが居合わせた時間帯はなかなか面白い観察の時間でした。

 ほとんど保育園状態の喧噪の中、子供の振る舞いはなかなか興味深い。人間はえらそうに世の中を牛耳っているつもりになっているけど、子どもたちを見てるとやっぱり人間も所詮動物なんだなと思います。オトナになっていろんなルールに縛られるというけど、それ以前はこんなに自由なんだ。ほとんどうちのネコと変わらない。いつの時代になっても人間のスタートは変わらないんだな。僕は子供がいないのでこう言う面白い観察対象に恵まれなかったのはちょっと残念かな。でも親はエネルギーがいるなーと今日の二組の夫婦を見て改めて思いました。頑張ってね。子どもたちが帰ったあとは、出していたオヤツがすっかり消えていました。イナゴの大群か!

 中学生ともなるともう子供ではないけど、親しい友人のナガオカ一家の来訪もおもろかった。一人息子の中学二年生ショウちゃんが松葉杖をついてきたのにはびっくり。ついこのあいだ新年会であった時はぴんぴんしてたのに、「ちょっと折っちゃいました〜」といいながらピョコタンと階段を上ってきた。聞けば卓球の部活中にひょんなことで怪我したとか。バカ政治家の場当たり的な一斉休校宣言で学校が休みになり、その上足が折れたので引きこもってテレビばっかり見てるんだって。ま、そんな春休みもありか。

 閉廊間際に来た大学時代の友人ハナオカと、やはり大学の後輩に当たる友人モトナガ君夫妻と共に一杯やることに。モトナガ君の奥さんのトモちゃんは三年前から始めた極私的劇団の役者仲間でもあります。ギャラリーのすぐ近くの中華料理屋「華美」にて4人でちょっと一杯…で終わるわけはなく、結局紹興酒4本空けてしまいました。ああ、今日も作りかけの立体を完成できなかった。ま、いっか。ハナオカ家とモトナガ家には概ね同世代の子供がいるので境遇に共通点もあり、いろいろ興味深い話を聞けた。

 いつも思うけど、個展という場のおかげで、普段会う場所では聞けないプライベートなお話をいろいろ聞けるのはホントに面白い。もしも僕に抜群の記憶力、もしくはマメにメモをとる根性があれば、こうした話をネタに一生エッセイを書きまくれるのになー。残念ながら、面白過ぎてその場で忘れちゃう。アホや〜。明日は雨かな〜。

亮月幽森日記

おはようございます。3月7日「亮月幽森展」二日目の朝です。今日も12時半から7時まで終日在廊予定です。

冬場は猫が布団に入ってくるんですが、今朝も布団にはクルミとナズナの二匹が入っていました。うちでは湯たんぽならぬ、ネコタンポと呼んでます。空にはちょっと雲が多い。雨が降らないといいな。個展会場の入り口にアルコール殺菌剤も置いてありますのでご利用くださいねー。

昨日、会場まで迷った方がいらっしゃいました。最寄り駅は銀座線の京橋ですが、東京駅八重洲南口からも歩いて6、7分です。八重洲ブックセンターの一本北側の道を真っ直ぐ東方向に行くと広い中央通にぶつかります。渡って50mくらい進むと左側にギャラリーモーツァルトというガラス張りの画廊があり、その角を左に折れて入った細い路地の中程です。階段を上った2階です。

[編註]銀座通りから曲がる角に、これまでは「ACCEA」というデジタルコンビニ(プリント・出力・製本など)があったのですが、ここが「上島珈琲店」に変わっていました。その向こう側が、「パラマウントベッド」のショールームです。どうぞ、お間違いなく。

亮月幽森日記

 亮月幽進展、初日が終わって帰宅したところです。今日一日で30名程の方が芳名簿に記帳してくださいました。ありがとうございました〜。何しろこのコロナなご時世だし、平日だし、まあ2,3人来てくれたらうれしいなーと思い、ヒマだろうから本でも読もうと読み本も持参したのですが。嬉しい誤算でした。

 12時頃会場に行くと、すでにマルヤマさんとタケダさん、クシマさんが待機。今回作ったオリジナル手ぬぐいが届くのが今朝だったのです。僕は手ぬぐいが大好きで、これまで10数本の手ぬぐいをデザインしてきました。結婚式の引き出物とか、お祝いのお礼など依頼されたものだったのですが、今回は初めてセルフ企画制作。モチーフはうちの7匹の同居猫たち。ゴッドマザーのマリモ率いるファミリー7匹を七福神に見立て、名付けて《七福ねこ手ぬぐい》。

 制作はいつものように豊田満夫さん。豊田さんは呉服商人の世界で丁稚奉公からお仕事を始めて長く勤めた方。日本一の手ぬぐいコレクター(他に半纏やぽち袋などいろいろ)という顔も持つ粋人でもあり、手ぬぐいのことを知り尽くしています。ご自身は職人ではありませんが、型彫り師、染め師の人脈を駆使して、絵柄に合った仕立てをアレンジしてくれます。今日仕上った《七福ねこ手ぬぐい》も、いつも通りの注染と言う染め仕立てで、原画以上に美しく染めて下さり大満足。

 クシマさんは原画を展示する段取りに取りかかり、他のお二人も展示の修正、微調整に取りかかります。初日まで準備というのが恥ずかしながら僕の個展では珍しく有りませぬ。結局バタバタと準備中の中、口開けのお客さんは友人のサトコちゃん。「初日なのにまだ準備中やん」と呆れ顔の彼女が幸運の女神だったか、それからは人が次々と来てくれました。

 今日知り合ったチカラさんは昨年メゾンドネコで個展を開いたカメラマン。和紙にセルフプリントした風景写真は街角の独特な色味と構図を切り取った面白い作品です。中国の民家をモチーフにした一枚は一見版画かと思うような不思議な存在感。ギャラリーオーナーの平さん曰く「ワイエスみたいじゃない?」確かにチカラさんの作品は、アメリカの画家アンドリュー・ワイエス描く精緻なテンペラ画の色味を思い起こさせます。ご本人も気さくな好青年(?)。僕の個展に来てくださる方は9割くらいが友達なのですが、こうした新しい出会いの場にもなるのが嬉しいです。ともあれ、今日はおかげさまでいい初日を迎えられて幸せでした。

帰りに東京駅八重洲地下街を歩いたのですが、金曜の夜というのに、以前の記憶に比べるとどの店もずいぶん空いてました。一年前の記憶では席の空くのを待って人が並んでるお店もいっぱいあったと思うんだけど、今日は逆に店員さんが呼び込みをするように店の前に立つ姿が目立ちました。大丈夫かニッポン。

亮月幽森日記

 おはようございます。長野です。《コロナの恐怖》が猛威を振るう今日この頃ですが、今日から「亮月幽森展」を開催します。本日は12時半の開廊から夜7時の閉廊まで終日在廊予定です。

 前回の書き込みからあっという間に時が経ってしまいました。昨日は搬入、設営。実家から車を借りて、友人のタケダさんの運転でギャラリーへ搬入。僕は運転は時々しますが、都心部の運転は苦手。特に新宿辺りは緊張しちゃいます。個展の相棒マルヤマさんをはじめ、友人のクシマさん、ヒトミちゃんが手伝いに駆けつけてくれて、テキパキと準備開始。昨年2019年は一年で3回も個展をやったので、だんだん段取りがよくなってきたみたい。13時からスタートし、18時前には準備終了、撤収しました。途中オバラ君が顔を出してくれたり、イズミさんがちょこっと手伝ってくれたりと、このご時世を感じさせない“いつも感”と友人たちの気持ちに感謝。。

 自粛の嵐が吹き始めた今週初めにオーナーの平さんから「どうします?」と開催の中止や延期を考えるかどうか問われたのですが、「ここまで準備したんだからやろう」とマルヤマさんと相談して決定しました。先延ばししてもどうなるかわからないし。今回の制作展示は、オーナーの平恭子さんが書いた物語に絵をつけると言う、僕の個展では初めてのパターンです。僕がやってきたイラストレーターの仕事はこうした“いわゆる挿絵”がメインなので得意な分野では有ります。でも絵本を念頭に置いている今回は、物語世界と絵の世界が相乗効果をもたらさないと面白くないと考えました。

 早い話が、絵が物語の添え物では無く、また違う視点を提供するものでありたい(あったらいいな)ということです。いつも組んで個展を作っているマルヤマさんが今回はプラス編集者的なアドバイスをしてくれたので、よりその方向が強くなったかも。画材も普段使っている絵の具とちょっと違うものにしたので、絵のタッチも少し変わったと自分では思っています。どんな絵なのか、会場でご覧下さいね〜。

 昨日の夜から花粉症の症状でくしゃみ連発。この春はこれまで全然症状がなかったのに。今日も目がかゆいです。目薬を買って会場に行きます〜。

亮月幽森日記

おはようございます。長野亮之介です。コロナウィルスがじわじわと迫り来てますね。このところ家にこもって絵を描いてる時間が長いのですが、訪れる友人たちのマスク着用率が高くなったような気も。東京マラソンの一般走者が参加中止に至るなどいろいろと影響が出始めました。身近では、モンゴルやミクロネシアへの旅を予定していた友人が渡航を再考させられたりしてます。僕の個展の様々なサポートをしてくれる友人のマルヤマさんによれば、SARSやMARSの時はウイルスが拡散した挙げ句自然に無害化されて収束に至ったという印象だったそうですが、今度はどうなるのでしょう。昨日からくしゃみが出るのでヤバいかな?と思ったけど、そう言えば花粉症の季節でもあります。僕はまだ花粉症という言葉が一般的ではない頃からスギ花粉のアレルギーと言われ、かれこれ半世紀近い花粉症もち。なぜか近年は症状があまりひどくないんですが、それでもくしゃみはでます。こんなご時世なので、くしゃみしてると白い目で見られそう…。

 前置きが長くなりましたが、メゾンドネコでの4回目の個展「亮月幽森(りょうげつゆうしん)」の準備中です。このタイトルは、今回のテーマである童話「お月さんとねこ」からヒントを得たもの。「亮月」は《明るい、美しい月》という単語です。「幽」は《奥深い》という意味なので、「幽森」で《深い森》という意味の造語です。メゾンドネコのオーナーであり、イラストレーターでもある平きょうこさんが書いた童話をもとに絵を描いています。これまでも月や猫は絵の素材として度々描いてきたけど、人の書いた物語を元に描くのは初めてなのである意味新鮮。しかも今回は相棒のマルヤマさんが編集者的立場で臨み、いつもにも増してタッグマッチ感が強く心強い限り。

 僕は普段アクリル絵の具や水彩絵の具を使って描くことが多いのですが、今回は画材を変えてみました。友人のイラストレーター、ペスカさんから教えてもらったAQYLAという絵の具です。水性アルキド樹脂という糊材を使用した水で溶ける油絵の具。使って見るとなかなかしっくりくる。アクリルのときも色鉛筆を併用するなどのミクストメディアが多いですが、今回もアクリルを混ぜてみたりして試しながら描いてます。使い慣れた画材と違って思い通りにならないのが楽しいなあ。ペスカさんには時々こうした新しい画材を教えてもらって刺激を受けてます。

 

お知らせ

3月6日(金)から10日(火)まで、ギャラリー「メゾンドネコ」で「長野亮之介・猫絵展4」を開催します。今回のタイトルは「亮月幽森──絵本『おつきさんとねこ』・序章」。現在、制作中の絵本を軸に、長野亮之介の新しい世界を見ていただきたいと思います。少しずつ情報をあげていきますので、また覗いてみてください。