朝からワイルド

亮月幽森日記

 おはようございます。今日は高気圧が張り出して晴れの予報。亮月幽森展4日目です。今日も僕は12時半から午後7時まで終日在廊予定です。

 毎朝起きるときに、僕は枕元のラジオをつけるのがクセです。だいたいNHK第一放送に設定してます。今日も半分寝ながら平日の帯番組《スッピン》を聞いていたら、何だかガサガサと異音がする。意を決して起きてみたら、布団のすぐ横で猫のクルミが鳥をたべてました〜。羽毛の模様からドバト(鳩の一種)のよう。その辺一帯に羽毛が飛び散るなか、ハグハグと食む音が異音の正体でした。うちのネコどもは狩猟本能がまだ健全で、食料自給率がそれなりにあります。鳥はもちろんネズミや昆虫、は虫類など結構捕獲しては食べてます。キャットフードは与えてますけどね。今朝の状況はまだそれほど凄惨な現場ではなかったけど、時にはネズミの頭が転がってたり、半分だけのヤモリが転がっていたりと、なかなかワイルドな朝を迎える時もあります。

 昨日の日曜日は終日雨模様でした。朝、ギャラリーオーナーの平さんと「今日は天気が悪いし、人出も少ないかもねー」と話していました。口開けの来場者は佐賀県から上京してくれたツルちゃん。二日後にミャンマーに出発するので、タイミングが良かったようです。コロナ騒ぎで日本人の渡航が制限されてますが、ミャンマーは大丈夫なのかな。「ま、大丈夫でしょう。なんとかなりますよー」と飄々と話すツルちゃんでした。

 会場に、一冊のハードカバーの本が展示してあります。「共同体なき社会の韻律」というタイトルから想像がつく通りの学術書です。僕が表紙の装丁を手がけました。正確に言えば、僕が挿画を提供し、相棒のマルヤマさんが装丁作業を手掛けた仕事です。「完全データ入稿」と言って、画稿データはそのまま印刷すれば本番、という状態で納品するのが常識と言う時代になりました(20年くらい前までは紙に書いた設計図とイラストを渡せば印刷所が続きの作業をしてくれました。そこまでなら僕もできるんですがパソコン作業が…)。

 昨日はその学術書の著者、川瀬由高さんが来場してくれました。挿画を描くに当たって内容は全部読んでいましたが、著者には初対面。論文の内容から漠然と抱いてたイメージと違い、童顔のニコニコした若き学者さんでした。

 会場で見ていただけると分かりますが、僕が描いた表紙絵は学術書らしからぬへにゃっとした絵です。描いている時も「こんな絵でいいのかな〜」と思ったりもしましたが、編集者のミトクさんが敢えて僕を起用した意味はそう言うことだろうと開き直って描いたもの。内容と装丁のギャップが好評だと聞いてましたが、著者ご本人からもそう聞いて安心しました。「共同体なき社会の韻律」というタイトル文字も手描きなのですが、「“手描き文字”という用語、初めて聞きましたよー」と川瀬さん。当たり前と思い込んでる言葉が案外“業界用語”なのだなと思いました。

昨日はいつもより2時間も短い開廊時間でしたが、それでも30名程の方にきていただき感謝の気持ちばかりです。閉廊近くに来てくれた友達数名と、東京駅にほど近い台湾料理屋で一杯やって帰宅しました。いつもぶっ飛んだ発想でいろいろと面白いことを企画するチアキちゃんから、遊びのアイデアを提案され、ほろ酔いの頭がグニャグニャと回転しました。

Posted by 亮之介長野