そよぐ風の日記

6月19日午前1時35分。今しがた帰宅したところです。本当はもうちょい早く帰れるはずなのに、寝過ごして気がつくと国立駅。慌てて乗り換えて登り最終電車にギリギリ間に合ったものの、最寄り駅の一つ手前までしか行かず、一駅歩いての帰宅でした。

6日間の「J. 風そよぐ庭から」展、今日で終了しました。お越し頂いた皆さま、また、お心遣いを頂いた皆さま、ありがとうございました。世間的な一周忌の法要というものをしませんが、この6日間が僕にとっては法要でした。今日来てくれた友達が、「むかしはこういう風に何日も死者を弔うような集まりが有ったんじゃないですか?」といっていましたが、冠婚葬祭で宗教行事が一般的になる前は、婚礼とか葬式など、何日もかけて人が集まる風習があったと聞いた気がします。今回の「個展」と称した集まりは昔ながらのいい供養の場だったんじゃないかな?と自分では納得しています。つくづくこの会を提案してくれた友人で、会場《ひねもすのたり》のオーナー、幸子さんに感謝しています。

昨日はあまり訪れる人が多くなかったし、なんと言っても平日昼間ですから今日も静かな一日になるかなと思ってた。案に相違して、大勢の方が来てくれました。会場には12人くらいで囲める大きなテーブルと、4人掛けのテーブルが二つあるのですが、そのテーブルが程よく埋まるくらいに10人くらいの人が来て、皆が座っている一時がありました。僕だけが立っていると、あたかも教室で講義をしてるような感じになります。ちょうどレーザーポインターも持っていたので、突発的にギャラリートークをしました。個展ではいつ何人くらい来るかはほんとうにわからない。10人いたとしても皆が座っているとも限らない。6日間の会期中、こうして10名が皆しぜんに座っている状況は初めてでした。僕はかつて大学で非常勤講師をしていた事があるので、意外とこうした場面で話をするのは慣れています。若いときは苦手だったんだけどね。《面の皮が厚くなる》というのはメタファーとして秀逸な表現だと思います。じゅんこの庭の説明や、絵の説明などを皆さんの前でしました。その場にいたのは、じゅんこが勤務していた学校の元校長先生、高校時代の友達、僕の大学の後輩や和太鼓の仲間、地平線会議の仲間など様々なジャンル(?)の友人知人です。こんな多彩な人たちの前で話している自分が不思議でした。じゅんこのおかげですね。

本日は18時半閉廊予定でしたが、ギリギリに来てくださる方が続き、最後のお客さん(ワラ細工の友人です)がお帰りになったのは19時半でした。それから撤収開始。手伝ってくれる人が大勢いたので1時間弱で作業終了。ネーサン、カズヤさん、ヤマさん、タケダさん、ゼンちゃん、いつもながら事前に根回ししてお手伝いをお願いしていないのに、こうして来てくれる友達に感謝するばかりです。作業終了後、買い出しをして打ち上げに突入しました。ヤマさんが持ってきてくれた桧原村の鹿肉も花を添え、じゅんこをしのびつつといいながら、文字通り世界を胯に懸けて活躍するメンツが多いだけに話はどんどんいろんな方向に広がっていきました。宴会から参加してくれたのはクシマさん、アヤちゃん、カナちゃん、オバラくん、リュウイチロウさん。あらたに人が来てくれるたびに「献杯」をしました。最後の献杯をしたのが11時半頃になります。

じゅんこは一年前の6月18日午後11時8分に息を引き取りました。自宅で最後までという本人の希望通り、自宅のベッドで亡くなりました。それまで危篤状態の一週間、じゅんこの妹のアヤコちゃんと僕が二人で毎日交代で寝ずの番。その日もじゅんこの様子はそれまでとそう変わらない様に見えたので、《今日も同じような夜になるね、朝まで大丈夫だよね》と二人で話し、そろそろ寝ようと思ったころ、急にじゅんこの息が乱れ始めました。二人でじゅんこを抱いて見守るうちに息の間が長くなっていきます。何も考えられず、ひたすら彼女の顔を見つめていました。この期に及んでも亡くなると思っていなかった。やがて最後の息を長く吸い、彼女の魂は静かに天に昇りました。この時僕は、「人は最後に息を吐くんじゃなくて、吸うんだ」と思った覚えがあります。《息を引き取る》というのはこういう事かと思いました。変な記憶ですね。それからはてんやわんやです。親族への連絡、医師に拠る死亡確認。医師が確認した公式な死亡時刻は11時30分ちょっと前だったと思います。葬儀社に遺体の処置の依頼や明日以降何をしたら良いのかの相談。すでに真夜中の時間帯ですが、お世話になっていた緩和ケアの看護士さんたちが来て送りのための化粧や死に装束への着せ替え、葬儀社の方が来てドライアイスの準備、エトセトラ。そして翌日から葬儀の日程など怒濤の日々が続きました。

あれから一年。怒濤の日々から始まった僕の一年はずっとじゅんこを追悼する行事をやり続けてきた気がします。6月23日の通夜、24日のお別れの会自体が、400人が集まった大きなイベントでした。7月と8月にはじゅんこの庭プロジェクトの作業があり、延べ50人以上の友人たちが関わってくれました。お盆には山仕事の仲間とじゅんこの野辺送りの会。9月1日のじゅんこの還暦祝いの前後には個展《ズットスキダ展」を行い、10月は地平線会議の40年祭でじゅんこを追悼する品行方正楽団の演奏会がありました。バンマスの僕は楽団仲間と練習を重ねて舞台を務めました。11月と12月には《五反舎ハナタレ組》という劇団でじゅんこの追悼公演。じゅんこの生前のアイデアを芝居に書きおろした演目を友人たちと公演しました。明けて1月はじゅんこが臨んでいた庭の竹垣再生プロジェクトを延べ40人ほどで達成。2月にはじゅんこが自ら依頼したベランダと縁側の工事>完成。3月は京橋のギャラリー、メゾンドネコで個展「猫翳礼讃」開催。4月は三週連続でお花見。昨年のお花見時期はじゅんこがまだ元気で一緒に花を見た事を偲びました。5月はじゅんこもなじみになっていた会津喜多方での堰浚いボランティアに参加し、事の顛末を報告。そして今回6月の「J. 風そよぐ庭から」展です。繰り返しますが、友達と猫と庭に支えられた一年でした。ありがとうございました。

そよぐ風の日記

おはようございます。今日もさわやかな風のそよぐお天気。梅雨時なのに会期中雨は土曜日一日だけでした。《じゅんこ晴れ》です。今日6月18日がじゅんこの一周忌の命日で、今回の個展【J. 風そよぐ庭から】最終日です。本日も12時から18時半まで僕は終日在廊予定です。今日は、何年か前にじゅんこと一緒に珍しく原宿なんぞを散歩した時、古着屋で彼女が選んでくれたアロハシャツを着ていくつもりです。

18時半で終了後、画廊の片付けをする予定です。もしお手伝いいただける方はよろしくお願いします。搬出は明日です。ひねもすは僕にとってはとても居心地のいい場所なので、個展が終わるのが何だか寂しい。今日の片付けの時に人がどのくらい居るかにもよりますが、終了後はギャラリーで軽く打ち上げになるかな?じゅんこの葬儀は宗教色のない人前葬儀でした。一周忌も特に法要などはしません。今回の個展が僕にとっては法要です。じゅんこを偲んできていただく友人知人が多く、皆さんとお話しできていい場になっていると思います。「一年早いねー」という声を多く聞きました。僕もそう思いますが、一方でこの一年を思い返すと長かった。一年前の事は遥か遠いむかしのようにも思えます。先日来てくれたじゅんこの高校時代の友人トモコさんが、「私はじゅんこが亡くなった事が納得できないので、どこか遠くへ引っ越してしばらく会えないんだと思ってます」と言いました。僕の中でもそんな感じです。一方でじゅんこのことを大事にしてくれていた林業関係の先輩からは「気持ちは分かるけど《卒業》も必要かもな」と言われました。《卒業》か〜。そういうタイトルの映画も有りましたね。主演女優のキャサリン・ロスが好きでした。じゅんことはそんな映画を見始めた頃の15歳で初めて出合い、一目惚れしました。それから、つきあっていない期間もありながら、いつも彼女は僕の中で一番だったので、これからもいなくなる事はないと思います。昨日来た友人に「亮之介さんはじゅんこさんが亡くなってからの方がじゅんこさんの名前を連呼してるよね」と言われました。たしかに生前はこんなに彼女の名前を人前で言わなかったと思う。言われてみればこの一年、文章でも何でも今までになく《じゅんこ》と言っています。どういう心境なのか自分でもうまく説明できない。なんだろう。命日の今日一日、そんな事もつらつら考えつつ在廊したいと思います。

余談ですが、今回の案内ハガキに描いたタイトルのアルファベット「J.」は墨と筆で描いた文字です。昨年11月から月一回ですが、習字を習っています。ろくな文字は描けないんだけど、ちょっとお習字気分で半紙に臨んでみました。何十枚も書いたうちの気持ちよく書けた一枚です。

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5日目無事終了。搬入日の12日以来、はじめて呑まずに今日のうちに帰宅できたような気がする〜。今夜は満月みたいです。すごく奇麗で明るい月。

朝出掛けようとしたら底面35センチ角、高さ60センチくらいの箱に入った豪華なお花が届きました。この9月末に個展を予定している神宮前のギャラリー・ヒッポからの贈り物です。ヒッポでは隔年で個展を開いてきました。じゅんこもオーナーの方と毎回挨拶して仲良くさせていただいてる画廊です。お花を見て、あらためて明日が命日なんだなと思いました。昨日は他に二人の友人からもお心遣いの品やお線香が届いてました。あー明日なんだなー。一年前の今日はまだ…。

「J. 風そよぐ庭から」展は今日で5日目。平日の昼間なので訪れる方は少なかったけど、皆さんとゆっくりおしゃべりできました。口開けに来てくれたマサコさんは2年前にヒッポでの個展以来の再会。お互い駆け出しの頃に一緒に仕事して以来の友人です。とても元気そうで、居合わせた僕のワラ細工仲間のハソメさんや、ランドスケープデザイナーのモチヅキさんと話が弾んでいろんな情報を仕入れていたみたい。僕の個展の場がきっかけになって、こうして友達同士の横のつながりができるのが喜びです。デザイナーのキヨコさんとも久しぶりにゆっくり愚痴をこぼし合いました。建築家のタマエさんがひねもすオーナーの幸子さんから伝授してもらったウメ酵素ジュースの作り方を僕も一緒に覚えました。ウメに同量の砂糖を足し、一日一回手で掻き回すんだそうです。「手で」というところがミソで、手についた常在菌が発酵を促すとか。もちろん素材は何でもいいそうです。ビワでも良いそうなので、やってみようっと。じゅんこもよく一緒に遊んでもらった先輩方“四人組”の皆さんも来場。「庭守」の絵を見て、「そうよね、じゅんこちゃんは絶対いるよね」と言ってくれました。僕もこの絵は気に入ってます。そこに高校時代の友達アンリとモメンコが。アンリは最近長唄の名取りになったので、そのお披露目に配る手ぬぐいを見せてくれました。デザインはイラストレーターのモメンコ。「注染でやりたかったんだけど、絵柄が細か過ぎて染めだと潰れちゃいそうだったからプリントなんだ」とのこと。いろんな事やってるなー、みんな。四人組も興味津々でアンリの話に耳を傾けました。

高校時代の友達が帰ったところでそろそろ18時半。今日は店じまい。下北沢の芝居小屋ザ・スズナリで劇団リブレセンの「江戸川区立第三小学校避難所」というお芝居を見ました。親しい役者さんにチケットを頼んだのですが、とても見やすい真ん中の席を取ってくれていて感謝。この劇団リブレセンは、今売れっ子のバイ・プレーヤー、高橋克己さんを輩出した劇団なんです。20年前に僕がリブレセンのワークショップに通っていた頃はまだ高橋さんが在籍していました。今日の芝居は近未来の東京が舞台。とある大災害で被災した人たちが集う避難所で物語が進みます。亡くなった奥さんが幽霊になって出てくるエピソードが有って、じゅんこもあんな風に出て来てくれないかなーと思いました。終了後、劇団員の山岸諒子さんと再会。彼女には最近になってじゅんこのことを伝えたので、「大変だったねー。今度呑もうねー」と固い握手でバイバイ。パワフルで素敵な女優さんです。

さて、久しぶりに12時前にブログ書き終えた。明日は最終日。寝まーす。

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おはようございます。朝から快晴。風が本当に気持ちいい。今日のギャラリーはは12時から18時半までの営業です。《夜もす》はないのでご注意ください。僕は18時半まで終日在廊予定です。

昨日一年ぶりにじゅんこの動く姿を映像で見た余韻か、何だかまだ夢の中にいるような目覚めです。個展会期は明日まであるけど、昨日の山場を超えてかなりホッとしました。今日は18時半まで在廊した後、下北沢スズナリで劇団離風霊船(リブレセン)のお芝居を見る予定。20年ほど前、離風霊船のワークショップにしばらく通っていた縁で役者の山岸諒子さんとつながりが有るのです。今回は公演と個展が被っているので行けないかなと思ったけど、千秋楽の今日、ギリギリ行けそうなので楽しみ。ともあれ残すところ二日、じゅんこの庭展でお待ちしてます。

この日記のタイトルをなぜ《ネコたち》としたかと言えば、今朝これを描いている間パソコンを取り囲むように4匹のネコ(マリモ、モミ、クルミ、アンズ)が座っているからなのでした。今回の個展に向けて絵を描いているときもそうだったな。庭の草花をスケッチして、さて本番の絵にしようとすると机の周りにネコどもが座り、絵の具の上を歩き、膝に乗って、仕舞いにはいつの間にか絵の中に登場しちゃうのでした。草花の絵を描くつもりだったのにね。

備忘録として昨日の参加者を記録しておきます。モトナガ君、トモちゃん、イザワさん、モリさん、セキノさん、シーちゃん、ハナ、コウスゲ君、モリナガ、ジンさん、イズミさん、ヒトミちゃん、ホンジョさん、マエダさん、オチアイ君、ナガオカさん、タケダさん、カナちゃん、カミヤさん、ケイコさん、アキコさん、クシマさん、サイトウ君、アキちゃん、エモトさん、オバラ君、マルヤマさん、幸子さん

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今日も午前さまです。先ほど1時半帰宅。本日おいでいただいた皆さま、本当にありがとうございました。晴れた日曜日、口開けのお客さんは太鼓仲間のナシキさんでした。本業は映画の仕事をしている人なので、どこか同じ匂いを感じる友達です。普段は太鼓の練習場でしか会わないけど、いつもとは違う場所で出合うと話題も変わります。映画「ROMA」の話題が新鮮だった。今日は僕の母校、都立三鷹高校の仲間が大勢来てくれました。じゅんこの同級生が4名、僕の同級生が5名、そして恩師のサイトウ先生。みんなが示し合わせてきたわけじゃなく、これもシンクロニシティ。サイトウ先生とは高校卒業以来の再会。同窓の別の友人が個展の事を伝え、ご自宅が会場に近いので来てくださったのでした。担任ではなかったので、まさか俺の事など覚えてないだろうと思ったけど覚えていた。40年以上前の何百人もの学生の一人一人を覚えているってすごい。「また個展があったら知らせてね」という言葉が嬉しかった。そのあと、じゅんこの教え子が来てくれました。僕らが結婚して間もない頃の教え子なので、やっぱり30数年前の生徒さん。もちろん初対面だけど、こうして来てくれるのが嬉しいです。先生と生徒の縁は深い。

夕方18時からは、じゅんこの命日を偲ぶ《祥月の会》となりました。今回の個展の目的でもあります。集まってくださったのは約30名ほど。お店の普段のレイアウトではキャパ20名ほどなので、テーブルをパズルのように動かしてスペースを作ります。昨秋のじゅんこの還暦の会のときは50名が来て満員電車のような混雑だったけど、今回はちょうど良い賑わいでほっと一安心。会場にはじゅんこの大きな遺影(60㎝×90㎝の電飾つき額入り)も飾りました。個展を企画してくれたオーナーの幸子さんの挨拶でスタート。「亮之介さんを心配してたけど、元気そうだから、こうして場を作る私の役割もそろそろ終わりかな」と。そんな事言わずこれからも背中を押してください!じゅんこが整体でお世話になった医師のセキノさんからは、献杯のコメントで「じゅんこさんは死ぬ事を恐れていなかった。普通はああいう風にふるまえない」というお話を。確かに彼女は最後まで強かったな。今日は泣くつもりはなかったけど、ぐっと胸が詰まる場面が何度か有りました。しばらくの歓談の後に映像でじゅんこの庭作りの説明が始まります。じゅんこがねーさんと呼んで慕っていたホンジョさんが「じゅんこの庭プロジェクト」をどういう思いで続けているかを語ってくれました。庭作りを指導してくださった庭師のヤノさんは、《地中の空気と水の流れを良くすれば、地上の植物は生き返る》という方針を信念を持って実践しています。ホンジョさんとは長〜い付き合いの職人さん。実はじゅんこが病気になるずっと前から《ヤノ君にこの庭を見てもらいたい》とホンジョさんに言われていたのでした。こんな機会に実現したのもじゅんこの作った縁なのでしょう。庭作りに対しての思いを語るじゅんこの秘蔵映像も上映されました。亡くなる一ヶ月前、ベッドサイドで語る彼女を記録してくれたのはアキちゃん。映像ディレクターとしての勘で「この記録は残したい」と撮ってくれた動画は僕もあれから初めて見るものです。「子供の頃から育ったこの家と庭が大好き。自然に溢れているけど、このままだと自然災害のときに近所に迷惑をかけちゃうのが心配だから、なんとかしたい」。一目見て胸が詰まったけど、しっかりと語る姿は美しくてカッコ良かった。本当に強い人だった。じゅんこが亡くなったのが6月18日。ヤノさんの指導のもとに実際の庭改造作業を行ったのが7月1日。映像作家のマエダさんが記録してくれた作業の様子も続けて上映されました。葬儀のわずか一週間後の事なのに、映像の中の自分が普通に振る舞っているようなのが不思議。いまもそうだけど、じゅんこが心の中にイキイキと生きているから彼女の不在を実感してないんだろうな。毎日彼女の遺骨と遺影の前でお線香を上げていてもこの世にいない気がしない。どっかに旅に出てるような感じです。

自分ではゼッタイできないこうした記録を撮っていただけたのは本当に貴重。いい短編ドキュメンタリーを見たような気持ちでした。最後に、参加してくださった方々全員を僕が紹介して一言コメントを頂いて散開となりました。予定では8時半終了のはずが、1時間もオーバー。散会後も10名ほどが残って結局店を出たのは12時半頃。こういう事ができるのも長い付き合いの友人、幸子さんのご好意のおかげです。感謝。

▲サチコさん

▲セキノさん

▲ねえさん

▲ベッドサイド

▲ギャラリートーク

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オカイコさんが孵化しました!先月25日に近所の農工大博物館で蚕を10匹貰い、じゅんこの庭にあるクワの葉で育ててました。桑の葉をあげると小さな前脚を器用に使って葉を掴み、シャクシャクと食べ続ける姿が可愛くて楽しかった。一週間強でマユになるのを見届けてからは個展の準備があり、そのまま忘れていたのです。さっき見たらオカイコさんのいるザルの中でバタバタ音がする。見ると乳白色の産毛に包まれたつぶらなひとみの成虫が。よくよくみると黄色っぽい卵をもうたくさん産んでいます。なかには尾部同士をつなげて交尾をしてるものも。おカイコさんは成虫になっても飛ぶ事もできず、口吻が退化して食べる事もできず、ただ次代を残して死んでいくのみと言う宿命に改造されてしまった生き物。昨年も飼っていたのですがマユの段階で冷凍したので成虫の実物を見るのは初めて。丸まってちゃんと展翅してない羽を細かく震わせながら毛に包まれた太い足を動かして少しずつ前進しながら産卵する姿はなんだか哀しい。このおびただしい卵はまた何百匹の幼虫になるんでしょうか? 命の不思議をどこまで見届ければ良いのか迷います。

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おはようございます。午前8時半の時点では快晴。じゅんこの庭には気持ちのいい風がそよいでいます。よかった〜。今日も12時から終日在廊予定です。昨日は出遅れて失礼してしまったので、遅れないようにしなきゃ。

本日はひねもすの喫茶店営業が17時まで。そのあと会場準備をして18時〜20時半がじゅんこの一周忌の命日を偲ぶ「祥月の会」となります。参加費2000円。飲み物(お酒、ソフトドリンク)とおつまみ類を用意しますが、十分ではないかもしれません。ご容赦を。持ち込みも大歓迎いたします。僕はじゅんこの庭からビワの実を先ほど収穫したので持っていきます。

祥月の会、司会進行は地平線会議の仲間で朋友のマルヤマさん。僕の個展ではいつもマルヤマさんに絶大なる支援をいただいているのです。テーマの設定やキャッチコピーの相談から始まり、製作中の励まし、尻たたき。案内ハガキや販売物などの制作、映像素材の扱い、そしてこうしたイベントの段取り、進行などなど。実は「個展」ではなく、【ほぼ二人展】というのが正しい表記だろうな〜と毎回思います。今夜の祥月の会では、じゅんこの庭にまつわる映像をご紹介する予定です。友人のアキちゃん、セツコさん、ホンジョさん達にご無理をお願いして動画を絶賛準備中。僕も未見の映像なので楽しみです。お手伝いには地平線会議のカミヤさん、ケイコさん、タケダさん、カナちゃんが来てくれる予定。よろしくお願いします。

余談:じゅんこの命日は6月18日ですが、この日はノルウェーの探検家アムンセンや、ロシアの作家ゴーリキーの命日だそうです。ちなみに翌19日は太宰治の命日(6月13日)を偲ぶ「桜桃忌」なんですね。じゅんこの命日に呼び名をつけるとしたら何だろう?「庭守忌」かなあ?霊感の有る友人によれば、じゅんこの魂はピンク色の影に見えるというから「桃雲忌」とか?

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わー、また午前さまになってしまいました。先ほど1時前に帰宅です。昨日飲み過ぎて起きたのが10時過ぎだったので、それからいろいろ連絡やブログ書きやなんやかやで、時間がかかり、家を出たのが昼12時過ぎでした。雨だしそんなに人でも少ないだろうなーという気持ちもあり、阿佐ヶ谷駅に着いたのが1時過ぎくらい。ホームから改札に向かう途中で「長野さんですか?」と声を掛けられました。見知らぬ男性ですが、もしかしたら昔の同級生とかかな?と思ったら、個展会場に来てくれて、待ちわびて帰るところのお客さんでした。連載をしている読売新聞のコラムが前日金曜日の夕刊に掲載されたのですが、そこに一行告知で「J. 風そよぐ庭から」のお知らせが載ったのです。それを見てきてくださった方でした。会場のiPhoneで上映しているスライドショーに僕の顔が有ったのでわかったそうです。ご挨拶を交わして会場に向かうと、すでに数組の方々がいらしていました。もう帰った方もいらして本当に失礼いたしました。遅刻はダメですね〜。

今日は夕方まで終日雨模様でしたね。でも爆弾低気圧という予報は阿佐ヶ谷に限っては外れて、しとしと雨だったと思います。一日ギャラリーに籠っているので、雨の実感はあまり無いんだけど、来場された方の情報でそんな感じ。今日もシンクロニシティは続きました。小学校4年生からの友人オケンと話していると小学校1年からの友人アラトリが来場して、久々にゆっくりナツカシ話に花が咲きました。二人が会うのは十数年ぶり?アラトリが来る前、オケンと二人でいるときに、1時間ほど前にいらして帰った二人連れの方がまた来ました。あれ?忘れ物?そうではなく、「何だか絵が忘れがたくて」といって、絵を購入してくださいました。前日の読売新聞の記事を見て来てくださった初対面の紳士です。「ドクダミ」の絵が里子になりました。すごく嬉しくて、ひねもすオーナーの幸子さんと万歳です。。描いた絵にはどれも愛着が有ります。昔は里子に出すのが何だか惜しくてあまり売らなかった(売れなかった?)のですが、今は好きになってくださる人がいれば、その方のもとで愛でていただいた方が絵は幸せと思うようになりました。今回の絵も大体はお譲りできるので、もしお気に入りの絵が有れば是非お声掛け下さいね。

ひねもすは木曜日から土曜日の夜18時〜23時は通称「よるもす」と言って、キッチンを仕切る方が代わります。よるもすのマスターはイズミさんという素敵な女性。僕は彼女が作るカレーが大好物で、今回も3日連続で一口カレー(一口どころか、たっぷりです)を注文しました。タマネギをたっぷり使ったコクのあるカレー、おすすめですよ。

搬入の水曜日から毎日顔を出してくれていたカナちゃんが、今日は仕舞いの11時になっても来ません。カナちゃんはひねもすのご近所にすんでいるので「皆勤賞をめざします!」と言っていたんですが、今回はダメだったか〜。という事で帰り支度をしていたらなんとカナちゃん登場!テーブルにタッチして「はい、タッチしたので今日も来た事にしてくださーい」と宣言。帰ろうとしていたタケダさん、カミヤさんと共にイズミさんを交えてまたしばらくおしゃべりタイム。イズミさんにさよならをしてひねもすを出てから、4人でまた赤提灯で一杯やりました。事情通のカミヤさんとおしゃべりしていてふと話題についていけない。ホルムズ海峡でなにかあった???そういえばこの4、5日、新聞も読んでないしラジオも聞いてなく、テレビはもとより無いので見てない。天気予報以外、世の中のニュースを知らないでいた事に気づきました〜。ヤバイ。まあ、会期が終わるまで仙人でいるしかないですね〜。

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おはようございます。今日は雨。僕はちょっと出足が遅れますが、13時頃から23時まで終日在廊予定です。足下が悪いですが、会場のひねもすのたりは阿佐ヶ谷駅から徒歩3分くらいの至近距離。お運びいただければ嬉しいです。

気温が低くなるとネコは敏感に暖を求めてきます。布団の上に乗ってるネコの重さで目が覚めました。雨の日の庭は緑がいっそう鮮やかで奇麗にみえます。一坪半ほどの小さな畑に植えたトマトやナスもいつもより元気みたい。毎朝水やりが日課になってるけど、やっぱり雨の方がたっぷり水が吸えていいのかな。この時期らしい梅雨空です。搬入から今日で4日目。毎日ひねもすに詰めて友人知人たちと会えのるが楽しい毎日ですが、掃除洗濯など家事ができないのが悩みの種。日ごとに家の中が雑然としております。普段なるべく自炊も心がけてるけど、このところは家で食べる時間がない。台所に皿が積み重なるような事は無くて助かりますが。

明日の祥月の会の為に、ビデオや写真の手配でバタバタしております。ちなみに、「祥月(しょうつき)」とは亡くなった月の命日、つまり周年の命日の事で、それ以外の毎月の命日は「月命日」というそうですよ。じゅんこの祥月命日は来週火曜日の6月18日です。明日はそのちょっと手前ですが、じゅんこを偲んで小さな偲ぶ会を開きます。今回の個展のテーマ「じゅんこの庭」はじゅんこが亡くなる前から動き始めたプロジェクトなので、生前じゅんこが庭にどういう思いを持っているかの映像があるのです。それを少々紹介したいと思いたったのが個展が始まってから。いつもながら動きが遅いですが。映像の事を思い出し、慌てて友人たちにいろいろお願いしているところです。明日の会はじゅんこに縁のある方々と想い出と庭の事など語り合える場になればと思っています。

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今日も11時間在廊して先ほど午前1時頃帰宅したところです。今日の口開けは友人の母上ミツコさん。「あら、今日が初日じゃなかったんだっけ〜?」とおちゃめな天然ぶりを発揮しながら、素敵な胡蝶蘭をいただきました。会場の一角にじゅんこの遺影や絵が飾ってあるんですが、みなさんからいただいた花のおかげで祭壇のように見えてきました。

ずっと在廊していていつも感じるのですが、何故か偶然同じときに同じ関係の方が来合わせる事が多い。今日も太鼓仲間のウヅさんとクマノさんがたまたま同じ時間に来て久しぶりに顔を合わせました。ウヅさんは休会中なので二人はしばらく会っていなかったんです。話をしているうちに同じテーブルにいた方がウヅさんのご主人の同郷とわかって話が弾みました。ひねもすのたりの常連のコダマさんは昨年9月の個展の際にも何度かお会いしていたのですが、今回お会いして新事実が。以前一緒に太鼓を叩いていた仲間がコダマさんの妹さんだったのでした。これはシンクロニシティとは違いますけどね。びっくりした。でも一番驚いたのは、今日の最後に偶然集まった方たち。僕は「地平線会議」という旅や冒険を指向する仲間のコミュニティに40年近く関わってますが、その仲間がなぜか集合。亡きじゅんこが姉のように慕っていた農大探検部OGの本所さんが来てさあ呑み始めるかというところに地平線会議代表世話人のエモトさん登場。しばらくしたら謎の自由人オバラ君が表れました。彼が帰ったと思うと創設メンバーのミワさんが連れてきたのがグレートジャーニーのセキノさん、その強力サポーターのノジさん、北極圏の旅人のカイドウさんという大御所の方々。この磁力に引き寄せられるように、ねぶたフリークのタカショーくん、編集者のタケナカさん、モンゴル通のカナちゃん、永遠の旅人クシマさん、そして最後に野宿野郎のチアキちゃん登場。この方々、全員地平線つながりで、なおかつたまたま来合わせた。様々な話題が飛び交って話が尽きず、気がつけば11時の閉廊時間に。名残惜しんだチアキ、タケナカ、クシマの三方と一緒に阿佐ヶ谷南口ロータリーで缶ビールで1時間ほど呑んで帰宅の徒につきました〜。皆さま本当にありがとうございました。明日は雨模様のようですが、よろしければおいで下さいねー。お待ちしておりまする。

お知らせ, 作品

今回展示している描き下ろし作品を紹介するページを作りました。上に並ぶ「作品紹介」メニューから入ってください。

会場に来ていただいた方には、同内容の二つ折りのパンフレットをお渡ししています。

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朝起きると居間にネズミの屍骸。ネコどもが捕まえてきて誰かが下半身を食った状態で。居間に散らばっていた段ボールの上でたまたまだろうけど食事をしてくれたので、掃除はラクだけどね。そういえばネコのカリカリエサをあげてなかったと思って台所を見るとやっぱりネコどもが「エサ忘れてんじゃね?」的な顔で待ってます。ドライフードに飛びつくニャンどもを確認してから庭の畑を見たら、ミニトマトの株が倒れてました。支柱に茎を結んでいたワラがほどけていた。ヤバいヤバい。あわてて支柱に結び直し。作業しながらふと足を見ると蚊が群がってる。しまった、半ズボンだった。庭作業のときは身支度が大事です。

さて個展二日目。今日もとりあえずいいお天気。何だかいろいろやらなければならない事があるような気がするけど、ま、いっか。ともあれ今日も12時から夜11時まで在廊予定です。夕方6時以降はお酒も飲めますよー。お待ちしております。

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「J. 風そよぐ庭から」展、初日が無事終了しました。終日降雨は無くてよかったです。今日は12時から夜の11時まで。働き方改革なんてぶっ飛ばせ〜という感じです。いらしていただいた皆さま、ありがとうございました。昨年9月にひねもすで開催した「ズットスキダ展」に来てくださって、それ以来お目にかかる“ひねもす”常連の方も多くうれしかった。いつも個展の際に一番乗りしてくれる大学の後輩タニムラ君を皮切りに、高校時代の友人や和太鼓仲間、山仕事仲間、ワラ細工仲間、じゅんこの仕事仲間など、多彩な方が来てくださいました。友人のユコちゃんが、「みんなが集まる場を長野さんがつくってくれる」と言ってくれたけど、俺ではなく、じゅんこが作ってくれてるんだと思います。

今日の絵の解説:[ツユクサ]は今回描いた2点目の油絵です。キャンバスのF0という小さなサイズの絵です。この絵は実は3年くらい前に急に思い立って描いたものに今回上塗りをして完成したものです。最初に描いた絵は、今回の絵と構図は大きく変わっていませんが、いまいち納得できず、未完成のままずっと仕事机の前に置いてあったんです。なんとかしなきゃなーと思いつつ、なかなか手が出せないでいました。案内ハガキに使った「ヤブジラミ」と言う絵を描いた後、その勢いでこのリザーブ絵に上塗りを始めました。もちろん絵の具は十分乾いているのですが、その上に絵の具を重ねていっても下の絵にスーッと絵の具が溶込む感じは他の絵の具ではなかなかない。昔の画家が別の絵が描かれたキャンバスに絵の具を重ねて使ったという話を聞きますが、ちょっと腑に落ちました。