絵師敬白

野趣あふれる庭をめぐる風に乗って、今年も蝶がひらひらと飛ぶ。蝶は魂の象徴や化身ともいわれる。じゅんこが愛した庭は、足しげく訪れるたくさんの友人たちのおかげで生き生きしている。この春は新参の植物も幾つか顔を出し、雨上がりにアマガエルまで現れた。じゅんこの望みだったベランダと縁側はこの春に建て替えてヒノキの香りを放ち、庭を縁取る竹垣も皆で作り直した。自分が撒いた思いの種子が、庭から新たな出会いや楽しみを生んでいる様を天から眺めて、じゅんこは微笑んでいるだろうか。6月18日の命日に向けて、じゅんこの庭から想を得た絵を少々描いている。

Posted by mar