オカイコさん

そよぐ風の日記

オカイコさんが孵化しました!先月25日に近所の農工大博物館で蚕を10匹貰い、じゅんこの庭にあるクワの葉で育ててました。桑の葉をあげると小さな前脚を器用に使って葉を掴み、シャクシャクと食べ続ける姿が可愛くて楽しかった。一週間強でマユになるのを見届けてからは個展の準備があり、そのまま忘れていたのです。さっき見たらオカイコさんのいるザルの中でバタバタ音がする。見ると乳白色の産毛に包まれたつぶらなひとみの成虫が。よくよくみると黄色っぽい卵をもうたくさん産んでいます。なかには尾部同士をつなげて交尾をしてるものも。おカイコさんは成虫になっても飛ぶ事もできず、口吻が退化して食べる事もできず、ただ次代を残して死んでいくのみと言う宿命に改造されてしまった生き物。昨年も飼っていたのですがマユの段階で冷凍したので成虫の実物を見るのは初めて。丸まってちゃんと展翅してない羽を細かく震わせながら毛に包まれた太い足を動かして少しずつ前進しながら産卵する姿はなんだか哀しい。このおびただしい卵はまた何百匹の幼虫になるんでしょうか? 命の不思議をどこまで見届ければ良いのか迷います。

Posted by 亮之介長野