西部劇の金字塔

流西遊影日記

画廊がお休みなので今日はやっぱり映画を見たい!ということで、大好きな立川シネマシティで映画を見てきました。《ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト》という長いタイトルの西部劇です。マカロニ・ウエスタンの巨匠と呼ばれたセルジオ・レオーネ監督の1968年の映画。半世紀前の作品だけど、冒頭から異様なほどの緊迫感。人物のアップが効果的に使われて、舞台の西部開拓時代末期の荒くれ男たちが目の前に居るように迫って来る。ハリウッドの某大物スターが残酷な悪役として登場するのもびっくりです。役者は時代劇のように見栄を切るし、決闘シーンはこれでもかと時間をかけてじっくり映す。今のようなCG技術が無い時代にどんだけお金と時間を掛けて作ってるんだろうと唖然としました。CGもうまく使われてる映画はいいけど、やっぱり限りなく生に近い迫力は違うなと思います(とはいえ、エンドクレジットに「特殊効果」スタッフもあったので、少しは絵をいじっているのかもしれないけど)。

マカロニ・ウエスタンというのは当時世界中で流行っていたアメリカの西部劇を真似て、ロケ費や人件費の安いイタリアなどで無名の俳優を使って低予算で量産したバッタもの。でも突拍子もない物語やキャラの立った主人公、エロや残酷な描写、印象的な音楽などが受けて1ジャンルとして熱狂的なファンがいるみたい。僕の子供の頃はテレビでよくやっていたので結構見てたし、好きでした。「ワンス〜」は、マカロニ・ウエスタンで一躍有名になったセルジオ・レオーネ監督が満を持してアメリカでオールロケをした作品だそうです。しかもマカロニ時代の作風とは違って派手な設定などはなく、滅び行く西部開拓時代への鎮魂歌のような味わい。物語の進行もゆっくりなので、一時は客席のどこからかいびきも聞こえてました。でも僕は面白かった。一部では《西部劇の金字塔》と言われてるそうですが、納得できる内容でした。映画はいいですね〜。

Posted by ryo