今日から10月

流西遊影日記

おはようございます。10月1日火曜日、秋本番。秋晴れの朝です。流西遊影展4日目。今日も12時から午後7時まで終日在廊します。

 このところ頻繁に妻の夢を見ます。昨夜も二人でどこかの国を旅してました。そういう朝の目覚めには彼女がそばに居ない事が不可解という思いばかりが募ります。そんな夢を見たのは昨日大阪から来てくれたイマムラくんのせいかも。会うなり「よかったー。笑えるようになったやん」というのです。昨年会った時は、顔は笑っていても目が泣いてたという。全然自覚していなかったのだけど、そうだったのかな。そう聞いてどういう感情だか自分でも分からないけど、一瞬涙があふれました。彼とはかれこれ30年くらいのつきあいで、当然カミサンとも知り合いでした。友達から“喪失感がつのるのはこれから”といわれることがあるけど、目が笑えるようになってから、そんな時期が来るのかな?未知の世界です。

 イマムラ君を始め、昨日は関西方面にルーツの有る方が目立った。ライターのキョウコさんは京都出身。冒険家のツボイ君は和歌山出身。太鼓仲間のカオリさんは山口県ルーツ。友人のサトコさんも関西ルーツ。長野県ルーツの僕が西日本に精神的な距離感を感じるように、西ルーツの方は東に同様の思いを抱くらしい。バイクで国内外を走り回ってきたツボイ君が言うのできっとそうなのだろう。そんな僕が今回の短い旅であらためて西の旅の面白さを感じたのは、自分の狭い知見を広げるのにいいきっかけになるのではと楽しみです。

 今回の「流西遊影展」が今年僕の個展の三回目となります。たまたまそんな巡り合わせになってしまったのだけど、さすがに三回は多くて大変でした。友人のあるアーティストは“作品が溜まったら個展やるんとちゃうの?”というけど、アーティストではないポンコツ絵描きの僕は締め切りが無いとなかなか描けない。そのうえ追い込まれないとエンジンがかからない。今回も、最初の一枚、クジラの絵を描き始めたのは個展開催の一ヶ月前の8月28日でした。いつも、“あー、あと一ヶ月、いや、半月、いやいや一週間有ればもう少し描けるのに〜”と思いつつ初日を迎えるのでした。ちなみに案内ハガキに描いたクジラはマッコウクジラと言う種。クジラを平家に見立て、源氏に破れて壇ノ浦の海に沈んでいくイメージを託してます。空に浮いている白いものは何か?これは、《壇ノ浦の合戦の火ぶたが切られる直前に空から白い旗が落ちてきた》という平家物語にあるエピソードをヒントに描いた白い布なのです。白は源氏のシンボルカラーなので、平家が負ける凶兆とみなされた。平家のシンボルカラーは赤。絵の中では海面に赤い布を浮かせました。ちなみにマッコウクジラは深海性の動物なので、浅い関門海峡にはいないと思います。分かってはいたのですが、マッコウクジラの姿が、源平合戦の武者絵に登場する《烏帽子》に似ているような気がしたので登場してもらいました。他の絵についてもいろいろとお話ししますので会場で僕に聞いてくださいね。

Posted by ryo