亮月幽進展、初日が終わって帰宅したところです。今日一日で30名程の方が芳名簿に記帳してくださいました。ありがとうございました〜。何しろこのコロナなご時世だし、平日だし、まあ2,3人来てくれたらうれしいなーと思い、ヒマだろうから本でも読もうと読み本も持参したのですが。嬉しい誤算でした。
12時頃会場に行くと、すでにマルヤマさんとタケダさん、クシマさんが待機。今回作ったオリジナル手ぬぐいが届くのが今朝だったのです。僕は手ぬぐいが大好きで、これまで10数本の手ぬぐいをデザインしてきました。結婚式の引き出物とか、お祝いのお礼など依頼されたものだったのですが、今回は初めてセルフ企画制作。モチーフはうちの7匹の同居猫たち。ゴッドマザーのマリモ率いるファミリー7匹を七福神に見立て、名付けて《七福ねこ手ぬぐい》。
制作はいつものように豊田満夫さん。豊田さんは呉服商人の世界で丁稚奉公からお仕事を始めて長く勤めた方。日本一の手ぬぐいコレクター(他に半纏やぽち袋などいろいろ)という顔も持つ粋人でもあり、手ぬぐいのことを知り尽くしています。ご自身は職人ではありませんが、型彫り師、染め師の人脈を駆使して、絵柄に合った仕立てをアレンジしてくれます。今日仕上った《七福ねこ手ぬぐい》も、いつも通りの注染と言う染め仕立てで、原画以上に美しく染めて下さり大満足。
クシマさんは原画を展示する段取りに取りかかり、他のお二人も展示の修正、微調整に取りかかります。初日まで準備というのが恥ずかしながら僕の個展では珍しく有りませぬ。結局バタバタと準備中の中、口開けのお客さんは友人のサトコちゃん。「初日なのにまだ準備中やん」と呆れ顔の彼女が幸運の女神だったか、それからは人が次々と来てくれました。
今日知り合ったチカラさんは昨年メゾンドネコで個展を開いたカメラマン。和紙にセルフプリントした風景写真は街角の独特な色味と構図を切り取った面白い作品です。中国の民家をモチーフにした一枚は一見版画かと思うような不思議な存在感。ギャラリーオーナーの平さん曰く「ワイエスみたいじゃない?」確かにチカラさんの作品は、アメリカの画家アンドリュー・ワイエス描く精緻なテンペラ画の色味を思い起こさせます。ご本人も気さくな好青年(?)。僕の個展に来てくださる方は9割くらいが友達なのですが、こうした新しい出会いの場にもなるのが嬉しいです。ともあれ、今日はおかげさまでいい初日を迎えられて幸せでした。
帰りに東京駅八重洲地下街を歩いたのですが、金曜の夜というのに、以前の記憶に比べるとどの店もずいぶん空いてました。一年前の記憶では席の空くのを待って人が並んでるお店もいっぱいあったと思うんだけど、今日は逆に店員さんが呼び込みをするように店の前に立つ姿が目立ちました。大丈夫かニッポン。