おはようございます。10月3日。《流西遊影展》今日から後半が始まります。僕は12時から午後7時の閉廊まで終日在廊予定です。日曜日まであと4日間お待ちしてます。
会場のショウウィンドウに立体作品「猫琵琶法師」を展示しています。今回のテーマ《平家物語》に因んで、「耳無し芳一」をイメージしました。本体と琵琶は、ワラで作った芯に和紙を貼り重ねて形成してます。和紙は、月に一度ですがお習字を習っているので、その時にたくさん出る半紙の反古を利用しました。一番表面には文字が貼ってあります。これは明治時代の教科書を貼付けたもので、木版で刷られた論語などです。だいぶ前に古本屋の店先で二束三文で売られていたものを何か使えないかと求めておいたのが役に立ちました。100年以上前の和紙で紙魚が食ったりしてるんですが、薄くても紙質はとても丈夫。現在の安い書道半紙よりずっとしっかりしてます。貼る時に手でちぎってノリを全面に塗る際、半紙はすぐ破れるけど明治の教科書は強い。ちぎる時も明治和紙は繊維が長くて抵抗が強いのが分かります。手漉きの和紙なのかな。余談ですが太平洋戦争の末期、日本軍は和紙で巨大な紙風船を作って水素でふくらまし、爆弾を搭載してアメリカに向けて飛ばすと言う作戦を実施しました。飛ばした総数約1万発。そのうち千発くらいが太平洋を越えて米本土に到達したものの、もちろん風まかせなのでほとんどは人知れず野山に落ちたそうです。和紙は強いんですね。