デモ初参加

9月19日(月/祝)

午後1時に千駄ヶ谷駅へ。いつもギャラリーへ行くのに利用する駅だが、今日は「さよなら原発1000万人アクション9.19」に参加するために降りた。とにかくすごいヒト、ヒト、ヒトの波にビックリ。電車からホームには降りても、ホームに人が溢れて電車のドアさえ閉まらずなかなか発車しない。階段を下りて改札を通るまでに10分以上かかった。改札を出たところで友だちと待ち合わせ、という段取りだったけど、あまりにも人が多くて見つかりゃしない。一緒に行ったかみさんの携帯電話を借りて連絡を取れた。僕はケータイを持たないのだが、こういう時はケータイの有り難さを感じる。ようやく長野県から上京して来たペンションオーナーFKさんとそのお仲間達と合流。編集者のYSさんとは10年振りくらいの再会。大学時代の同期KYとも久しぶりに会った。山仕事仲間のH姉さん、宮崎っ子のHちゃん、アカデミックMちゃんも合流し、更に鮭TプロジェクトのKYちゃんとSネエも無事合流。

早速人の流れに乗って集合場所の明治公園に向かう。総じて年配の人が多い気はするが、親子連れや、乳母車を押したおかあさんも多く、オシャレな若者もそれなりに混じっている。皆さん、あまり気負った感じではなく、ピクニックにでも行くような笑顔の人が多いのがいい感じだ。かくいう僕も、デモに参加するのは初めて。学生時代にサークル会館の解体反対デモか何かに出たような気がするが、それ以来の「デモ」だ。集会主催者は「パレード」と表現している。ダラダラ歩いて記念イベントが開かれている明治公園に着いたとき、ふと前を歩いている見覚えのある顔が。一昨日個展に来てくれたTYさん。そしてその友人のKFさん。彼女は大変お世話になっているドキュメンタリー映画のプロデューサーで、とても素敵な女性だ。まさかこの人混みの中で偶然会えるとは思わなかった。実はKFさんには個展のDMを送り忘れていたのでここでお渡ししたが「私には送ってくれないのねって怒ってたのよ」と笑いながらおっしゃるので恐縮した。あちこちに不義理をしているなあ。ここではまた別の女性からも声をかけられた。訊いてみると、今年のゴールデンウィークに訪れた福島県山都の堰浚いボランティアの場所でご一緒していた方だった。ずいぶん偶然の再会が続く。KFさん達とは別れ、人で溢れて入れない集会場所を目指すのを諦め、一足先にデモの出発地点へ。ここには福島の住人達を始め、様々な団体の幟が立ち並ぶ。「幟って、テンション上がりますよねー」とSネエ。福島住民の幟に見える「怒」とか「怨」という文字が重い。ここでどこかの団体が配っているプラカードをもらった。片面には「原発はいらない」もう片面には「エネルギー政策の転換を」とある。イベントが終わり、デモの先頭付近である僕らの待機場所の前に少々の人だかり。人混みの中心あたりに大江健三郎さん、落合恵子さん、内橋克人さん等の顔がチラリと見えた。続いて福島の幟や釜ヶ崎の幟等、団体の幟がゆらゆらとパレードして行く。戦国時代の武将隊の移動はこういう感じだったのだろうか。きっと沿道には隊列という「市場」を当て込んだ食べ物屋等も出たりしたんじゃないかなあ?福島隊のあとを追うように僕ら一般人のデモもスタートする。もっと混んで歩きにくいのかと思ったが、スイスイと歩けたのは意外。多分先頭付近だったからだろう。マラソン大会でも、先頭はちゃんと「走れる」が、中盤から後ろになるとスタート後20分くらい「人混みがすごくて歩くしかない」という事もままあるから。回りに歩いている方々は、そこらにいるごく普通の人達という感じだ。こういう人たちすら声を挙げたくなるほどの「原発と言う愚策」は考え直すべきなのだと思う。そこへ主催者側の宣伝車が来て、シュプレヒコールの音頭を取り始めた。曰く「原発やめようー」とか「命が大事ー」とか、「命を守ろうー」など昔聞いたような“あおり”口調。女性が甲高い声で叫ぶので、ヒステリックに聞こえるし、滑舌が悪くて時々何を言っているかわからず、唱和したくても出来ない。「え?今“原発守ろうー”って言わなかった?」「いやいや、“原発やめよう”と“子供を守ろう”が混じったんじゃね?」なんて思ったが、滑舌が悪いのが原因だろう。もちろん趣旨は理解しているつもりだし、その上で賛同して来ているのだが、更に言えばヒステリックなシュプレヒコールにすごく違和感を感じた。あれでは沿道の人がふと参加するって言う気にはならないかも。共感を得なければいけない立場なのに、もう少し考えて欲しいと思った。

途中外苑前あたりで皆で列を離れて一服。丁度見つけた屋台風のお店で餃子と唐揚げ、そしてビールを少々。みんなお腹がすき、喉も乾いていたのでいいタイミングだったかもしれない。このくらいの気楽さでアピールするのもいいんじゃないかと思う。途中歩く速さの違いもあって少々離れていた我らの仲間はここでようやく全員再合流。餃子が蒸し上がるのを待っている間に、あとから来た山仕事仲間のMネエとその友人SMさん夫妻にも出逢えた。

千駄ヶ谷の青年会館前を出発してかれこれ3時間ほどでゴールのNHK前着。流れ解散なので締めも無いが、何となく名残惜しい。売店で飲み物等を買い、日比谷野外音楽堂近くのベンチで乾杯。まだまだいろいろなデモ団体が続いており、人々のやり場のない怒りのエネルギーを感じる一日だった。主催者発表で6万人が参加したという。これがマスコミでどのように報道されるのだろうか。

フクシマ隊

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