礼讃日記

こんにちは。「描翳礼讃」展、昨日3/5日を持って終幕しました。ご来場いただきありがとうございました。今回も大勢の方にお目にかかれて嬉しかったです。励ましていただいたり、制作のヒントをいただいたり、たくさんの刺激がありました。いつもながら制作までの助走期間が長く、主な作品に取りかかったのは2月になってからと言う綱渡り状態でしたが、プロデュースをしてくださるマルヤマさんのサポートでなんとか形になりました。今会期中に購入していただいた絵や予約していただいたグッズなどは順次発送しますのでしばらくお待ちくださいね。

今年の9月末にまた、神宮前のギャラリーヒッポで個展開催の予定があります。新たなテーマと技法なども試してみたいと秘かに思っています。よろしくお願いします。

今回は会期5日間のうち3日間が雨模様でしたが、幸い最終日は晴れました。それもあるのか昨日は平日にもかかわらず駆けつけてくださった方も多く、賑やかな一日でした。山形在住の友人一家が息子の受験の付き添いで上京がてら来場という嬉しいサプライズもありました。閉廊時間の五時に駆け込んだ最後の来場者は学生時代の後輩トモナガ君。片付け始めた会場をざっと見るだけになってしまい、すみませんでした。

撤収に駆けつけてくれたのはタケダ、クシマ、マルヤマ、オバラ各位の地平線会議仲間です。いつもサポートしてくれて慣れているから、あっという間に片付け終了。搬入設営のときはあんなに時間がかかったのに〜といつも思います。タケダ車に荷物を積み込み後、ギャラリーオーナーのキョウコさん提供のおいしい焼きおにぎりと焼きトンで軽く打ち上げをして帰路につきました。本当はお酒を飲みたいけど、車で帰宅のためです。でもやっぱりちょっと一杯という事で、車を返したあと小平で軽く乾杯。僕は中央線沿線に住んでいるため、小平から西武線で比較的近い駅まで移動し、小雨振る中約30分歩いて帰宅。カミサンの遺影に報告してとりあえずミッションコンプリートしました。これから、荒れ放題でしっちゃかめっちゃかになった家の中を片付けなくてはならないけど。

また秋に皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。ありがとうございました。

礼讃日記

おはようございます。ようやくお日様が顔を出しましたー。少しはあったかくなるかな。描翳礼讃展最終日です。今日も開場の12時半から終日在廊します。お待ちしております。閉廊時間は17時(午後5時)です。17時過ぎからぼちぼち作品の撤収作業になりますので、お気をつけ下さい〜。

昨日は一日冷たい雨でした。風も強かったみたい。「みたい」というのは在廊中外に出る機会が無かったので。天候が良くないにもかかわらず、多くの方にきていただきました。ありがとうございます。

今回会場には読売新聞の夕刊に連載している「銀幕一刻」という記事の原画を掲示しています。映画紹介記事とイラストで構成され、僕は絵と文の両方を手がけています。20年ほど続いているこの連載は、ファッションの蘊蓄を絡めて映画を紹介するコンセプト。記事を書くのに結構調べる事が多く、毎回いろんな発見があります。昨日はこの記事の読者が何名か訪ねてきてくださり、とても嬉しかったです。長年記事をスクラップしている方や、札幌から来たと言う方も。普段は担当記者とのやり取りだけなので、この連載、読まれているんだろうかと不安になる事もありますが、こうして読者の方にお目にかかれると心強く、気持ちがあらたまります。現在の担当記者さんもいらしてくださいました。一昨日の東京マラソンを完走してまだ足が筋肉痛。ぎくしゃくと階段を下りていました。お疲れさまでした。

展示している作品に「地平線会議」に関わるものがいくつかあります。「地平線会議」は大学探検部の情報交換の場から発展したコミュニケーショングループです。1979年に発足し今年で40周年。この40年欠かさず毎月一度、都内で「報告会」を催し、冒険や探検、ユニークな旅をしている方々のお話を聞くのが現在の主な活動。誰でも参加可能な緩い集まりなので40年も続いているのかな。報告会のお知らせ他、同人のいろいろな情報を載せた月報「地平線通信」をこれまた欠かさず発行していますが、僕は1984年からこの月報で毎月の報告者の予告を担当してます。報告者にプレ取材し、イラストと読みにくい手書き文字で構成したこの予告原画も展示しています。

僕は手ぬぐいが大好きで、これまで十数本の手ぬぐいをデザインしてきました。今回会場で販売している手ぬぐいも最近作った一本です。猫がワラ縄を編む手順を示すイラストを配したデザイン。中央には藁で編んだ「釜敷き」をモチーフにした模様を描きました。昨年から藁工芸を習っており、自分で作った釜敷きも会場に展示しています。僕は鋳物の釜でご飯を炊いているので、日常生活で活用している釜敷きです。昔の生活の知恵を感じます。

礼讃日記

おはようございます。今日も雨ですね〜。描翳礼讃展4日目です。今日も開場の12時半から閉廊の19時(午後7時)までずっと在廊予定です。足下が悪いですが、お越しいただければ嬉しいです。

昨日は桃の節句でしたね。いつもなら手作りのおひな様など飾るんですが、今年はその余裕がありませんでした〜。残念。朝いつものように東京駅からメゾンドネコへ向かうと、手前の中央通りが東京マラソンのコース。ここがスタートから何キロ地点かわからないですが、9時のスタートからすでに3時間以上経っているので、ランナーはかなりへろへろ。小雨振る中、歩いてる人も多かった。マラソンを少しかじったものとしては興味津々ですが、それはともかく道が渡れないので地下道を通って行く事になりました。東京は地下鉄が多いから、コースの選択にはこうした迂回路の事も考慮に入れてるのかな。

雨のせいでしょうか、昨日来場者はちょっと少なかったんですが、こういうときは逆に一人一人の方とゆっくりお話しできるので、お一人の滞在時間が長くなります。お茶とお菓子をいただきながらまったりできて楽しい時間です。絵の話しだけでなく、長い付き合いの友人夫婦のなれそめなど聞けて新鮮でした。お母さんと小学5年生の女の子が来場されたのですが、実は同じ会場で一ヶ月後に開催される個展が目当てでした。一ヶ月早とちりしてきてしまったわけです。「でも猫が好きだから見せてください」と言って、ゆっくり見てくださいました。女の子は図画工作が大好きなようで、見せてくれた作品の画像はかなりのクォリティ。将来が楽しみです。こういう思いがけない出会いがあるのも楽しいですね。

見てくれた方からグッズ製作のヒントをいただく事もあります。今回展示している大伸ばしの「初蛙猫」の絵を見て、これを暖簾やトートバッグにして欲しいという声をいただきました。大きく伸ばしたプリントは、巾900ミリ(ロール紙を使うので長さはいくらでも)まで刷れる壁紙用の大型プリンターで刷っています。今回のプリントはフィルム状の用紙を使いましたが、もちろん壁紙や和紙、布にもプリントできます。会場で見ていただくと分かりますが、原画の数倍に引き延ばしても高精細に再現できてますよ。たまにプリントを原画かと勘違いされる方もいますが、小さい方が原画です。

会場には立体作品が2点あります。高さ1mほどの結構大きなハリボテの招き猫です。中にLEDライトが仕込んであり、行灯になっています。会場は明るいので行灯の明かりがあまりハッキリしませんが、お客さんが少ないときは了解の上で会場の電灯を消すこともしばしば。陰翳の中で見るとまた雰囲気がずいぶん違います。ちなみに、案内ハガキの写真に写っている猫行灯は当時制作途中だったもので、展示している立体(猫あんどん右招き)はだいぶ外見が変化しています。更にその後もう一体(猫あんどん左招き)を作って、つごう2体の猫行灯を展示しています。招き猫は上げている手によって、右招きはお金を、左は人を、呼ぶそうですよ。初日に冗談で右招き猫の足下にお椀を置いて五円玉を入れたら、いつの間にか少し増えてます。ご利益があるのかも(笑)。

 

礼讃日記

え〜雨ですね。昨日とうって変わって肌寒い朝。三寒四温とはよく言ったものです。東京マラソン開催の今日、「描翳礼讃(びょうえいらいさん)」展3日目です。今日も12時半から終日在廊します。本日、日曜日の閉廊時間は17時(午後5時)ですので、お気をつけ下さいね〜。

昨日は暖かい土曜日で大勢の方にお運びいただきました。開場時間に10分ほど遅れてメゾンドネコに到着したらもう7、8名の方が。昨年亡くなった妻淳子の友人たちでした。本当に励みになります。その後もお天気も良く途切れず人が訪れて賑やかな一日でした。ありがとうございました。

今回の展示は谷崎潤一郎のエッセイ「陰翳礼讃」をもじったタイトルに因む2種類の作品を中心に展示しています。黒が際立つ切り絵作品6点と、陰翳を意識して描いた水彩作品5点です。これまでも切り絵は時々制作して、展示した事もあるのですが、メインに出した事があまり無かったせいか「切り絵は始めて見ました」という声を聞きます。僕は仕事では主にアクリル絵の具使う事が多いのですが、時々違う画材や技法を試してみたくなります。黒い紙をカッターで刻む切り絵は、なかなか思い通りにならないところが新鮮。バランスを考えて切り進むうちに下書きとは違う形が現れてきます。今回制作した6点のうち、「蚊取猫」という作品では背景が細かくて大変でした。切り抜いた絵はマーブリング(墨流し)という技法で作った背景に重ねています。昭和40年代の人気テレビ番組「ウルトラQ」のタイトル文字が流れて渦を巻いたような不気味な図柄の表現をしてました。あんなイメージが墨流しです。水の上に垂らした絵の具を吹いたり、かき回したりして複雑に絡み合わせ、紙を載せて写し取る技法です。水の上の絵の具なのでコントロールは難しく、偶然できる図柄が面白い。何枚も作って、切り絵の雰囲気と合いそうな色味のものを選択して合わせました。

水彩作品ではペリカンの固形不透明水彩を使っています。アクリル絵の具と違い、塗り重ねると下の色が混色され、予想外の色になったりします。水彩絵の具は、本来はあまり塗り重ねず、紙の白や絵の具の濃淡で表現する技法が美しいんですけど、陰翳を意識して描いたら何度も筆を重ねていました。普段イラストの仕事ではあまり使わない表現なので、自分でも新鮮です。

今回他に普段の仕事の展示もしてますが、切り絵と水彩を見ていただけると嬉しいです。

 

礼讃日記

おはようございます。今日はお日様が射していい陽気になりそうです。今日も開場の12時半から19時の閉廊までずっと在廊する予定です。お近くにいらっしゃるついでにお寄りいただければ幸いです。東京駅から歩いて6、7分。中央線を使う僕はいつも東京駅から歩きます。八重洲南口を出て外堀通りを超え、みずほ銀行の横の路地をまっすぐ東南方向に歩けば会場付近です。

昨日3月の声と共に初日を明けました。開場は12時半なのですが、このブログに12時からと書いてしまい、もしかしたらご迷惑をおかけしたかも。すみません。開場準備に搬入日にし忘れていた事をバタバタと直前まで行い、ギリギリセーフ(?)でスタートしました。平日でしたが、大勢の方にきていただきました。ありがとうございました。一番乗りのお客さんは古い友人のオリーブさん。高校時代の友人シジミちゃん夫妻が続き、懐かしい顔にお会いできて嬉しかった。昨年末から書道を習い始めたんですが、師匠のソースケ先生にご来場いただき恐縮でした。というのも、会場で流している過去の作品映像の中に我流で書いた水墨画や筆文字などが出てくるからです。書道教室ではまだ簡単な文字すらろくに書けないので…。書道仲間のイクコさんも来ていただき、プロデューサーのマルヤマさんが手がけてくれた手作り缶バッヂ作りを手伝ってくれました。僕の個展に来ていただくのは友人知人が多いのですが、そうした友人たちが会場で知り合いになるのも嬉しいことです。

閉廊後は高校時代の友人ハラダ君、チーコウ、マチコさんと一杯。良い初日でした。

お知らせ

猫翳礼讃展の見どころを写真で紹介します。ここでは、会場の右半分を紹介します。左半分は、「その1」(別の投稿)をご覧ください。

▼大伸ばし作品から、右のほうを見たところ。他の絵と比べると、その大きさがよくわかります。

 

▼もう一つのメイン作品は、大判作品の右に並ぶ5点の水彩画。みなさんおわかりのように、この個展のタイトルは谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』をもじったものですが、この本から得たモチーフを膨らませて、谷崎の好む陰翳に富んだ暮らしのなかにいる猫を描きました。

▼右の隅にいるのが、iPadを抱えた猫。過去の作品などをスライドショーで流しています。

▼外光の入る窓の前に並ぶのが、読売新聞で連載を担当している映画評コラム「銀幕一刻」の諸作品。新聞の載った記事そのものも展示しています。

▼入口側に向かって、振り返ったところ。奥は会計コーナー。その手前にいるのが、行灯猫・左招き。そして入口側の壁が、地平線会議と月刊『望星』表紙絵のコーナー。

▼左招きは、人(客)を呼ぶと言われています。右招きより、やや小型の三毛猫。背中などが光ります。

▼左が、地平線会議コーナー。昨年秋に出版した384ページの単行本『風趣狩伝』の表紙を担当しました。その原画と、1985年から毎月担当してきた地平線通信の案内イラストを展示しています。右が、月刊『望星』のコーナー。毎月の表紙絵を担当しています。

▼メゾンドネコは、京橋駅から徒歩2分。オフィス街とは思えないような、細い路地に面しています。入口はこんな古い民家風の感じで、この階段を昇った2階が会場です。3月5日(火)までの5日間。ふだんは19時までですが、日曜日と最終日は17時で終了します。多くの方のご来場をお待ちしています。

(写真と文:丸山純)

お知らせ

本日、3月1日(金)から「猫翳礼讃──長野亮之介・猫絵展3」が始まりました。開場時刻(12時半)より早く来られた方もいて、楽しくも慌ただしい一日となりました。見どころを写真で紹介します。

▼入って正面にどーんと存在感を発揮している、大伸ばし作品。

▼正面から左のほうを見たところ。右側に6点並ぶのが、切り絵作品。正面が販売もしているグッズ類。左側の壁がてぬぐいと立体作品。

▼今回のメインとなる切り絵作品。バックの紙は、水に絵の具を溶かして転写するマーブリングでカラフルに仕上げてあります。

▼今回の絵の一部を缶バッジにしました。1個150円で販売しています。

▼切り絵作品をあしらって、マグカップを作りました。家のなかでの猫を描いた「おうち編」と、野外での猫を描いた「おそと編」の2種類があります。前回のNeko Mugも販売。

▼毎年刊行してきたA5判の「地平線カレンダー」。今年は4月始まりにして、今日からお目見えです。2ヵ月で1ページ、全6ページ+表紙。切り絵作品を使って、作りました(頒布価格500円)。その奥にあるのが、今回の個展のために作った絵葉書セット。水彩画4点に、モチーフとなった谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の一節を添えています(頒布価格700円)。

▼入口を入ってすぐ左の壁が、てぬぐいコーナー。原画を展示しているほか、1500円で「わら遊びてぬぐい」を販売しています。二つの色を巧妙に合わせる、てぬぐい職人さんの高度な技をご覧ください。右にあるのが、今回のイメージキャラクターである立体作品「行灯猫・右招き」です。

▼行灯猫・右招き。右手を挙げた招き猫は、お金を招くと言われます。内部にライトが入っていて、ところどころ光ります。

以上で会場の左半分を紹介しました。右半分は別投稿にします。

礼讃日記

おはようございます。長野亮之介です。今日3月1日(金)から「描翳礼賛展」スタートします。今日が初日になります。僕は開場の12時から閉廊の午後7時までずっと在廊する予定です。天気は薄曇り。雨はふってないようですが、ちょっと寒いですね。どうぞ暖かくしていらしてください。

昨日は搬入日でした。13時から21時までかかり、クシマさん、マルヤマさん、タケダさんのお力を借りてなんとか設営終了。個展といっても、いつもながら「個」ではとても準備できません。お三方に感謝です。

お昼頃車で自宅を出発。今回は大きめの立体作品があるため車での移動が不可欠となり、実家かから車を借りてきました。都内の運転が不得意な僕ですが、ナビがあるから何とかなるか…。しかしながらナビの設定が悪かったのか、絶対乗りたくない首都高(とりわけ不得意なので)に誘導しようとするナビ譲(声が女性だからね)に抗いつつの珍道中。助手席のクシマさんはナビと格闘する僕を面白がるやら、AIの進歩に感心するやら。ようやく会場待機のマルヤマさんと合流できたのは出発から2時間もかかってからでした(個人的にはお江戸の真ん中まで自力で運転できたのは快挙です!)。もうこれだけで一仕事終えた気分だったんだけど、それからがなかなか大変。綿密な会場のレイアウトをマルヤマさんと事前にきめて設営図まで作ってあったのですが、いざ作品を並べてみるといろいろと変更が出ます。ああじゃないこうじゃないと皆で検討しつつだんだんと形ができて行く過程はしんどいけど楽しい。毎度思い出すのは、文化祭の前夜のワイワイガチャガチャした雰囲気。「大人の文化祭をずっとやってるんだなー、オレ」といつも思う。

愛媛出張帰りに駆けつけてくれたタケダさんが到着した5時過ぎ、会場から歩いて2分の立ち食いそば屋「そばよし京橋店」に行きました。「鰹節問屋がやってる出汁がおいしい店らしい」というクシマさん情報でたどり着くと間口一間ほどの小さなお店。店内の壁には鰹節の様々な産地を示す写真が貼ってあって、いかにも鰹節問屋直営っぽい。メニューも、なるほど鰹節の出汁が効いた濃い目のつゆにおそばの盛りも多くて満足。メゾンドネコでの個展は今回で3回目ですが、今まで全然知らなかった。お昼時は混みそうだけど良いところを見つけたなー。

腹ごしらえをしてからが以外と設営に時間がかかり、ようやく全て整えたのが9時過ぎ。帰りはタケダさんに運転していただき、四人で雑談しながら帰途につきました。運転が得意なタケダさんのおかげでスムーズに各人の家を回り、最後は僕が一人で運転。実家に車を帰して帰宅したのは11時でした〜。やれやれ。