今回展示した作品「望星表紙絵・天妄呻吟」
望星表紙絵・天妄呻吟
東海教育研究所の月刊誌『望星』の表紙の仕事は20年を超えました。『望星』は毎号「特集」があり、そのテーマがイラストの“お題”となります。ここには「昭和的」な
物事をテーマにした号のイラストを集めました。読者層の年齢が比較的高いので、昭和を題材にした特集は多いのです。
他の仕事ではなかなかこうしたテーマを描く機会がないので、自分が育った昭和を思い出しつつ、色々調べながら描くのが楽しい仕事。ポストの絵は、僕が表紙を担当した第1回目の絵です。
『望星』は、この10月からウェブマガジンに移行しました。ここに展示した「誤字脱字」の絵が、その表紙(?)です。表紙制作では、たいてい何を描くかの指定は無く、お題をどう解釈するかは任せられます。テーマから具体的なイメージが浮かべばラッキーですが、抽象的な場合はアイデアをひねり出すのに結構苦心します。
今月のテーマは「誤字と脱字—“もちろん”と“もろちん”の間」というものでした。誤字脱字という概念を調べると活版印刷に
行き当たります。活字を絵にできないかと考え、アイデア描きを色々して、結局こんな形に落とし込みました。
三本足の八咫烏は、神武東征の道案内をしたという伝説から、導きの神様とされています。『望星』の新たな出発を祝う意味で
書き添えました。