「けものけ」はケモノ(獣)とモノノケ(物の怪)を合わせた造語だ。
動物だけでなく、ヒト以外のあらゆる生き物と怪異なモノは、人には計り知れない存在という意味で表裏一体といえる。
僕の八匹の飼いネコ達は一番身近なけものけだ。
神出鬼没の彼奴らが何も無い宙空をじっと見つめる先には、きっと妖しいモノが潜んでいるに違いない。
人が漠然と共有するけものけのイメージを、僕は絵を描くときにしばしば借りる。
それは似顔絵や、風景の中の乱調だったりする。
生き物や謎のモノたちは、実生活だけでなく絵の中でも不思議な存在感を放つ。
そんな絵を中心に並べます。
(人が一番の「けものけ」かもと思いつつ)
2015年9月3日 長野亮之介